「なんでもあり」な80年代を象徴するツッパリキャッツ! なめ猫今昔物語
#サブカルチャー #バック・トゥ・ザ・80'S
さらに近年は、警視庁の暴走族追放キャンペーンや肖像パブリシティ権侵害行為防止キャンペーンなど、モラル向上を促すポスターのキャラクターにも採用されることも増えている。世間の皆さんに迷惑をかける半端者たちに、硬派ななめ猫たちは今日も「なめんなよ!」とにらみをきかせているというわけだ。
かつてのように一大センセーションを起こしているわけではないが、定番キャラクターとして21世紀の「なめ猫」は社会に定着しつつあるのだ。
■その後のなめ猫
ところで、復活した「なめ猫」グッズでは新世代の猫たちによる新たな写真は使われているのだろうか。そんな疑問に津田氏はこう答える。
「新たに撮影はしていません。今も当時の写真を使っています。というのも、寝食をともにした猫でないと自然な表情が撮れないんです。それに又吉って、やっぱりイケメンなんですよ。こんなに整った顔の猫はなかなかいないんです。又吉はとくにいい表情の撮れる猫でした」
「なめ猫」は子猫たちと津田氏の一期一会の出会いが生み出した、奇跡のキャラクターだったのかもしれない。
大ブームが去った後、アイドルから「普通の猫」に戻った「なめ猫」たちは、のんびりと人生(猫生?)を謳歌し天寿を全うしたそうだ。とくに、又吉の彼女役だった「みけ子」は24年、人間の年齢に直すと130歳まで生きたという。
そんな多くの人間に愛された猫たちは、いまや日本だけでなく世界で愛される存在となりつつある。スイスの腕時計ブランド、フランク・ミュラーとコラボレーションして「なめ猫30周年モニュメントウォッチ」を生産したのを筆頭に、アジアでは台湾、香港。西欧圏ではアメリカでグッズを展開。昨今の「クールジャパン」ムーブメントもあり、日本のポップ・カルチャーの一つとして海外で紹介されることも少なくないそうだ。
なんでもありの時代と言われた80年代初頭に誕生し、まさに「なんでもあり」な空気を体現した「なめ猫」は、今も当時と変わらず世間に対して「なめんなよ」とつっぱっているのだ。
(取材・文=有田シュン)
●なめ猫公式サイト <http://www.nameneko.com/>
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