「なんでもあり」な80年代を象徴するツッパリキャッツ! なめ猫今昔物語
#サブカルチャー #バック・トゥ・ザ・80'S
この写真を友人が大絶賛。当初はその写真を商品にするつもりはまったくなかったそうだが、実際にグッズ化したところ大ヒットを記録。たちまち4匹の子猫は日本一のアイドル猫となったのだ。中でもとくに人気があったのは、くりくりした瞳と澄まし顔が印象的な三毛猫・又吉。彼女(実はメスだったのだ!)を中心に1980年から82年の間「なめ猫」グッズが展開した。
しかし、なぜ「ツッパリ」スタイルだったのだろうか。この疑問に対して、津田氏はこう答える。
「単純にあの当時、学ランとセーラー服が一番多くの日本人が通過するファッションだったからです。仮に大人の衣装を着たとしても、服の系統が細分化されているので『なめ猫』ほどのヒットになはらなかったでしょうね。ただ猫に服を着せたからヒットした、わけではないと思います」
偶然から生まれた「服を着た猫」というアイデアと、理にかなったリサーチから「なめ猫」は生まれたのだ。
■手間暇かけて、愛情込めて行われた「なめ猫」撮影
なめ猫を語る上で忘れられないのは、「子猫たちをどうやって立たせているのか」論争である。当時、子猫たちが人間と同じ服を着て立っている姿に、テレビや雑誌ではとある識者が「動物虐待だ」とたびたび批判。中には「背中に定規を差し込んで立たせている」と、さも撮影を見てきたかのように語る人物や、「剥製だ」と主張する人物まで出てきたそうだ。
実は、子猫たちは立っていたわけではなく、座っているところに全身をすっぽり覆う形で衣装を着ていただけなのだが、「そのままにしておいたほうが知名度が上がるから無視していました」と津田氏は世間のバッシングを放置。
その後、知名度が上がり切ったところで、テレビ番組で撮影シーンの一部始終を公開したのである。これにより人気を維持したまま、世間のなめ猫バッシングは息を潜めることになったそうだ。津田氏、なかなかのやり手である。
そんななめ猫の撮影は、又吉たちが成長する前の、およそ1カ月間でほとんど終えてしまったそうだ。この間、8人の猫好きグループを結成。一匹ごとに一人ずつ担当スタッフをつけた上に、専属の洋裁スタッフや獣医などがつくという盤石の体制で撮影は行われた。
「撮影は大変でしたね。子猫の集中力が続かないので短時間しか撮影ができませんでした。だからまずダミーのぬいぐるみを置いて、配置やライティングを決めてから撮りました。おまけに子猫は服をすぐにぼろぼろにしちゃうんです。1着15万円もしたんですが、一回撮ったらそれでおしまいでした」
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