“沢尻エリカ”という名のアトラクションムービー『ヘルタースケルター』が描く無常の世界
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自分の過去を封印して瞬く間に芸能界を登り詰める。
映画『ヘルタースケルター』は、沢尻エリカという名のアトラクションムービーだ。いわずもがな、主人公のりりこは、マスコミを賑わせるお騒がせ女優・沢尻エリカの分身である。映画の冒頭から、フルヌードを披露するりりこ/沢尻エリカの胸や腰まわりのなめらかなカーブに観客の目はクギづけ状態。人気フォトグラファーである蜷川実花が入念にディレクションした極彩色の世界へと、りりこ/沢尻エリカは毒蛾のように優雅に羽ばたいていく。財閥の御曹司(窪塚洋介)や映画プロデューサー(哀川翔)とまぐわうことで、男たちのエキスを吸い取ったりりこ/沢尻エリカは、さらに妖しい輝きを放つ。でも、毒蛾の命は思った以上に短い。人気のピークを極めた後は、もがき叫びながら堕ちていくだけ。人気女優のヌードを目当てに劇場に足を運んだ自分たちも、彼女と一緒にヘルタースケルター(しっちゃかめっちゃか)な芸能界をジェットコースター感覚で急降下し、束の間の陶酔感を味わう。
りりこは、マネージャーの羽田(寺島
しのぶ)をマインドコントロールしていく。
原作は1995~96年に発表された岡崎京子の同名コミック。完璧なルックスを誇るりりこ(沢尻エリカ)はあらゆる雑誌の表紙を飾り、CMに引っ張りだこの人気スター。だが、りりこの美しさは全身整形で手に入れたもの。外見の美しさとは裏腹に、りりこの内面は歪んでいる。「目ん玉と爪と耳とアソコ以外」は全部整形した莫大な手術費を回収するために事務所の社長・多田(桃井かおり)から仕事を詰め込まれ、そのストレスを年上のマネージャー・羽田(寺島しのぶ)に向かって吐き出している。恐ろしく気分屋で、羽田に自分の股間をクンニリングスするよう命じたかと思うと、翌日には「一回マンコを舐めたぐらいで、調子にのってんじゃねぇよ。この変態女!」と罵倒する。
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