谷川俊太郎meetsニャル子さん!? 朗読イベント「こえサイファー」で現代詩と声優が邂逅
#イベント #声優
「声優さんのファンがその声を聞きに来ていて、ほかの方の朗読は聞きたくないのかな、と不安でした。ところが、それぞれみんながいろんな人のことばを聞こうとしていて、声が届いている、響いている感じがしました。普段は声優さんも詩の朗読をすることはあまりないと思うので、全員がアウェイの中、緊張感を持って朗読するという今回のイベントは、とても勉強になりました」
ファンは静かに高まった。
谷川俊太郎はビデオ出演だったが、サイファーに参加した動機を「閉じられた空間でなく、公園みたいな広々したところで、ルーズな感じでできるのが面白い。現代詩でないいろんな人がいるのがいいなと思いました」と語った。その後、鉄腕アトムの挿入歌で自身が作詞した『ロボット・マーチ』を朗読。途中、「なんだかバカみたいな話だねぇ。なつかしい」とツッコミを入れると、会場からも笑いがおきた。サイファーについては、「活字は反応がない。朗読会に出れば目の前にいる30人とかが、つまらなかったらざわめくし、面白ければ拍手が起きる。フィードバックがあるのは、健康にすごくいいという感じがしました。つまらなかったら正直に帰ってしまう。こういうことが詩には必要」と、朗読に対して意欲をみせた。
また谷川は、阿澄佳奈が主演を務めるアニメ『這いよれ!ニャル子さん』をニコニコ動画で見ていることも明かし、会場を驚かせた。後藤沙緒里は「後藤が出演しているアニメ作品もぜひ観てください」とアピール。当の阿澄佳奈は「ビックリなのと、なぜそれだったのかなぁと」と戸惑っていたが、司会から「詩人や歌人で『ニャル子さん』を観ている人は多いらしいですよ」と伝えられ、さらに驚いていた。
イベントの最後には、阿澄佳奈、後藤沙緒里、miko、ななひらの4人による自作の詩が朗読された。披露された作品は、阿澄佳奈『あなたへ』、後藤沙緒里『憧れ』、miko『はばたき』、ななひら『すべての“あなた”へ』。会場に多数いたであろうファンたちは、長時間のイベントのラストにもかかわらず、この日一番の集中力で聞きいっていた。
Twitterなどでは、毎日のように詩のような投稿を見かける。ソーシャルメディアが普及し、ことばが以前よりも流通し、インタラクティブな創作活動も可能となった今、詩はいつ、どこででも生まれているのだ。『しいか.com』は、「<あなた>を詩人にする言葉が詩です」とうたっている。これを機に、「徹夜なう」などつぶやいていないで、詩を詠んでみたいと思う。
(取材・文=林健太/画像提供=しいか.com)
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