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自衛官語る「SNSで防衛機密垂れ流すトンデモ艦長が放置」

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます!

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自衛官語る「SNSで防衛機密垂れ流すトンデモ艦長が放置」 – Business Journal(6月27日)

「防衛省・自衛隊HP」より

 会員制SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を通じた情報漏洩事件が後を絶たない。

 例えば、2月、山梨県警察本部鑑識課長が、1月に同県内で起った火災について「2人死んでました。明日は検証です。寒そう……」などと、会員制SNSに書き込みをした出来事は、記憶に新しいところだ。

 また、6月に入ってからは、福岡の消防団員が火災現場を携帯電話のカメラにて撮影、「はなはだ不謹慎」との非難を浴びたという事件もあった。

「公務員の場合、職務上知り得た秘密を漏洩したら、懲戒免職モノと教育されている」(地方公務員)という声を裏づけるように、冒頭の山梨県警鑑識課長はこの書き込みにより本部長訓戒、福岡の消防団員も近く処分される見通しという。どちらの事案も、利用者に実名での参加を求めている会員制SNS・Facebookでの出来事である。

 Facebookは、利用者に実名での参加を求めている。この実名性が、Facebookにおける書き込み内容の信憑性が高いとされる所以だ。

航海ルート、軍事戦略もダダ漏らし

 昨年の5月頃からFacebook上に、以下のような写真が投稿された。


 この写真は軍事知識がない人からみれば、ただ潜水艦が航行している写真としか思わない。しかしある現役海上自衛隊幹部、元同自衛隊幹部、現役下士官ら数人は、口を揃えて次のように話す。

「背景から広島湾、那沙美の瀬戸と丸わかり。護衛艦にある20センチ望遠鏡から撮影したのは間違いない。分角(目盛)が入りこんでいることで、映りこんでいる建物と潜水艦のセイルの位置などから、海上自衛隊の艦艇の航路が容易に読み解ける。この位置に機雷でも仕掛けられたら、たまったものではない」

 つまり安全保障上、問題のある写真である可能性が高いということだ。もっとも今の時代、広島湾に諸外国が機雷を仕掛ける可能性は、現実的には低いかもしれないが、元幹部海上自衛官は、こう懸念を示す。

「国内のテロ組織が、漁業を装って、この位置に魚網を仕掛け、スクリューを巻き込ませるなど、自衛隊を標的としたさまざまなテロ行為の可能性が考えられる。つまりこの写真は、Facebookに投稿されてはいけない代物。しかもこの広島湾の那沙美の瀬戸は狭水道なので、航行するときに、こうした写真が撮影できるのは艦長、副長、甲板士官くらいしか考えられない」

 安全保障上の問題があるばかりではなく、勤務時間中に写真撮影を行っていた疑いは濃厚だ。このほかにも、護衛艦「はたかぜ」のエンジンルーム、艦砲射撃の写真もあわせて投稿されていた。「はたかぜ」のエンジンルームも「詳細は話せないが、外部に出してもらっては困る」(元海上自衛隊幹部)写真だという。

犯人はなんと現役護衛艦艦長

 この写真を投稿していたのは、護衛艦「はたかぜ」副長兼砲雷長・「S」2等海佐と名乗る人物とされている。昨年12月からは舞鶴の第14護衛隊所属、護衛艦「みねゆき」艦長を務める、れっきとした現役幹部自衛官である。

 はたしてこれら一連の投稿は、本当に護衛艦「みねゆき」艦長・「S」2等海佐のよるものなのか? 直接、話を聞こうとコンタクトを取ったが、回答を得ることはできなかった。

 この「S」2等海佐のFacebook投稿は、昨年12月に護衛艦「みねゆき」艦長に就任後、さらに頻度が増した。その投稿内容は、自衛隊にあまり詳しくない人がみても、安全保障上、なにがしかの問題があるのではとの疑念のある内容ばかりだ。

 例えば他のFacebookユーザーからの質問に応じて「護衛艦の復元性は強く、90度+○○度傾いても沈みません」とコメント。この書き込みにより、「日本の護衛艦の復元性は90度+○○度」という、「日本の安全保障上、外部に知られてはいけない情報」(現役自衛官)を公表してしまったのである。

 また、「S」2等海佐が1月に実施された輸送艦「のと」の(海岸へ艦を離着岸させる)ビーチング訓練に参加した際は、「輸送艦は陸上から約200メートル沖合いで錨を投げ(略)」と書き込み、またしても自衛隊にとっての秘密情報を流している。

「この数字によって、海上自衛隊が想定しているビーチング能力がわかる。『有事の際、沖合200メートルで投錨できる地形でなければ、輸送艦を用いたビーチングは難しい』と、諸外国やテロ組織に対し公にしたようなもの。とても艦長職にある人間の書き込みとは思えない」(元海上自衛隊幹部)

注意を受けて、「Japan NAVY」と改名

「S」2等海佐が昨年12月に艦長に就任して以降、護衛艦「みねゆき」は、母港・舞鶴を拠点とし、1月は東北沖、沖縄に行き、4月には横須賀に寄港するなど、護衛艦の動きがFacebook上から読み解けるようになった。

 また1月23日の投稿では「舞鶴も吹雪です。今日は吹雪の中、視界1500メートルで帰ってきました。現在、C錨地」と、その行動が実に詳らかに記されている。艦内で出された食事についても写真投稿しているが、その際、一々「東北沖」などと、その現在地についても書き込みがされている。さすがにこれはまずいだろうと、ある海上自衛隊関係者が「みねゆき」所属の第14護衛隊司令・1等海佐に注意を促したという。

「司令(1等海佐)と艦長(「S」2等海佐)は、たしか同い年。防衛大出身のエリートの司令に、少年自衛官から叩き上げた艦長は、通信制で大学を卒業して幹部となった苦労人。自衛官歴では司令より長いためか、日頃から司令を軽視していた。また自分と異なる意見を認めない意固地なところがあった」(第14護衛隊所属護衛艦乗組海曹)

 上司である第14護衛隊司令からの注意を受けた2月初旬頃、「S」2等海佐はFacebook上のプロフィールの「みねゆき艦長」を削除、その表記を「Japan NAVY MINEYUKI CAPT」と英語ながらも”日本海軍”と改める暴走ぶりをみせた。

「公務員が書いた文書は、すべて公文書と理解されても仕方がない。階級章付顔写真入りで『みねゆき艦長』とプロフィールに表記していれば、海上自衛官の書き込みであることは閲覧者には明白。それを上司に注意されてなお『Japan NAVY』とはおふざけが過ぎる。とてもまともな幹部自衛官とは思えない」(元海上自衛隊幹部)

「S」2等海佐の暴走はこれに留まらない。司令(1等海佐)から注意を受けてもまだ、反省の素振りもなく、他の艦に勤務する幹部自衛官の勤務評定をFacebookに投稿、全世界に個人の勤務評定をばら撒くに至る。

自衛官の勤務評価も公開!

 例えば、輸送艦「のと」船務長兼補給長(Facebookでは実名)について、「『去年、幹部になったばかりなのでまだまだです』と、同艦艦長が話していた」とFacebook上に書き込み。同艦長も、みずから話した部下への勤務評価を、ネットを通して全世界に公表されるとは思ってもいなかっただろう。挙句の果てには「船務長兼補給長はかなり『のと艦長』からしぼられていたので、同窓の縁で激励してやろうと思います」と書き込むなど、その暴走は留まるところを知らなかった。

「そもそも他艦乗組幹部の勤務評価は『職務上、知り得た内容』ではないか。それをFacebookに書き込むとは、幹部自衛官としての資質に問題あり。艦長職に留まること事態、大きな問題だ」(元海上自衛隊幹部)

 こうした一連の投稿について、防衛省倫理審査会、及び海上自衛隊が調査した結果、一連の投稿は護衛艦「みねゆき」艦長・「S」2等海佐本人によるものとわかった。

 本件についての対応について、同審査会に問い合わせたところ、次のような回答を得た。

「本件に関しては、情報漏洩や職務専念義務違反等の規律違反行為は確認されませ
んでしたが、幹部自衛官として、無用な誤解を招きかねない情報を個人の判断でイン
ターネット上に掲載することは、必ずしも適切とは言えず、当該隊員については、上
司から厳重に注意を実施いたしました」

 つまり「S」2佐については、所属部隊である第14護衛隊司令・1等海佐からの注意のみということである。

 また海上自衛隊へも同様に問い合わせたところ、海上幕僚監部広報室名で、次の回答を入手した。

自衛隊も「問題なし」

「一部自衛隊員として不適切な面が見受けられたことから、海上自衛隊といたしましても、インターネット環境の発達に伴う個人による情報発信の危険性を認識し、引き続き指導を徹底して参ります」

 つまり自衛隊法でいう懲戒には当たらないというわけだ。防衛省倫理審査会の調査の結果にある「規律違反行為」に該当するものがなかったためである。しかし、これでは冒頭の山梨県警察本部鑑識課長の本部長訓戒と比べて、処分に著しく妥当性を欠きはしないだろうか。なぜこのような軽い処分で済んでしまうのか?

「防衛省や海上自衛隊としては、この事案では懲戒処分はできないだろう。なぜなら懲戒処分を行うと、どの書き込みで処分したかを、きちんと公表しなければならない。そうすると何が『秘』で、何が『秘』ではないかを世に明らかにすることになる。これは自衛隊のような組織では大変困る。もっとも公には処分はされないが、防衛省や海自が回答しているように『上司から厳重注意』された事実は残る」(元海上自衛隊幹部)

 また、関係筋は、「情報関連及び自衛隊員の規律全般を担当する海幕高級幹部(総務部長、指揮情報部長など)は、『みねゆき』の事案はオプセック(オープン・オブ・セキュリティ)の欠如であり、”徹底教育する”との見解を示しているため、『S』2等海佐は幹部自衛官としてはもう終わったと思う」と話す。

「これくらいの書き込みならOK」というメッセージに

 それにしても、こうした厳重注意を受けた艦長の命令に、部下である乗員たちは従うのであろうか? 今回、取材した何人かの幹部自衛官は、あくまでも個人の立場として、「まだ艦長職に留まるとは、いい度胸している。乗員がかわそうだよ」という声がほとんどだ。

 今回、「S」2等海佐は、上司である司令からの厳重注意で済んだ。

 しかし、これにより別の問題が生じる可能性があると、現役陸上自衛隊幹部は懸念を表す。

「『みねゆき』艦長の書き込み、写真投稿で処分の対象にならないのなら、『これくらいの書き込みや写真投稿もOK』だというラインを、防衛省や海上自衛隊は示したことになる」

 この”お騒がせ艦長”率いる護衛艦「みねゆき」は、8月3〜4日と富山県伏木港にて一般公開される。現在、自衛隊富山地方協力本部が参加者を受け付けている。
(文=秋山謙一郎/経済ジャーナリスト)

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最終更新:2012/06/28 07:00
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