ジャイアンツ原監督とナベツネ・清武を巡る泥仕合「巨人軍は球界の紳士たれ」の空しさ
LCCというと座席が狭い、サービスが悪い、何だかんだと別料金を取られて、結局大手航空会社とたいして変わらないのではないか、というイメージが流布されているようだ。
5月末には国内のこの業界のパイオニアであるスカイマークが利用者に配った「サービス・コンセプト」が大きな論議を呼んだ。「機内での苦情は一切受け付けません」などとあり、批判が噴出したため、スカイマークはあわてて引っ込めた。
不満のあるお客は消費生活センターに連絡しろと書いて、東京都の消費生活総合センターからも撤回を指示されてしまった。
そのスカイマークの西久保社長が現代で、「批判されてもあえて言い続ける」と自分流の経営哲学について語っている。これが今週の次点。
「われわれは、JALやANAといった大手と運賃競争をするために世に出てきたベンチャーです。最大のサービスは運賃の安さ。客室乗務員が愛想笑いを浮かべながら提供する表面的なサービスより、運賃で勝負しようというスタンスで経営をしてきました。第一、われわれはサービス業者ではなく輸送業者です。『運賃以外のサービス』と言ってもおのずと限度があります。平たく言えば、新幹線に乗車したときに受けるサービスをイメージしてもらえたらなと思うんです」
しつこくクレームをする客には、他の客に迷惑になるし運行にも影響するから、「だからそういうときには当然、かなり強い口調で『出て行ってください』と言います」と言い切る。
飛行機を降りた後でもクレームを続ける客がいると、係員がその客に占有されてしまうし、次のフライトまでの時間が他社に比べて15分ほど短いから、ヘビークレームに対応する余裕がないのだとも話している。
コストもサービスも切り詰め、安いのだから文句をいうなというコンセプトが、他国ならいざ知らず、日本の乗客に受け入れられるのだろうか。
ちなみに今年8月から運行を始めるANA系列のエアアジア・ジャパン岩片和行社長は、ビジネス情報誌「エルネオス」の私のインタビューでこう答えている。
「われわれはまったく逆のことを考えていて、余計な人手が必要になったりコストがかかったりということでない限りは、精一杯お客様に楽しんでいただくのがわれわれの基本ですから、乗って楽しい、おもしろい、思い出に残る、いっしょに元気になれる、そういうサービスができないかなと考えています。もちろん第一義的にわれわれがやらなければならないのは、コストを下げて安い値段で提供して利益を出すことです。だけど安いだけでは消費者は関心をもってくれません。コストをかけずにどうやって付加価値を高めるか、会社としての企業価値は尽きるところ人だと思います。私たちは折り返し時間も限られていて機内も広いわけではないし、お客様にも協力していただかなければならないこともたくさんあります。だから大手と同じようにできることもあればできないこともある。だけどもそれと無駄なサービスはしなくてもいいという発想を持つのはまったく違います。われわれは機内でどうやってお客様に楽しんでいただこうかということに知恵を絞る。エアアジアって他とは違うんだという印象を持って帰っていただいて、初めてリピーターが得られるんです」
この言葉を西久保社長はどう聞くのか。
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