「自殺者が3万人いる理由? 僕と会ってないから!」“新政府総理”坂口恭平が本気でやろうとしていること
#インタビュー
坂口 僕の最大の敵が、時間と空間なんですよ。これをどうやって延ばせるか。「縄跳びの二重跳びができた時の感覚は、お前の人生の何かの分岐点の動き方のメッセージだから、そこを忘れずに残しておけ」って、ずーっと言い聞かせているんです。そうすると、いろんな穴がブワーッとできるんすよ。その穴にありえないぐらい入り始めるんで。
──穴? 何が入るんですか?
坂口 玉入れ合戦のありえない一瞬ってあるでしょ? ズボズボズボズボーッて入っていく瞬間。パチンコでいう確変(確率変動)みたいなもんです。「パチンコにだって確変があるのに、なんでお前、人生で確変がないと思ってんだよ」みたいな。「これがあるとしたら、こっちもあるじゃないか」つっても、なかなかわかってもらえない。でも、僕の経験によると、「空間を広げていく」ってことを意識するだけで全然違ってくるんですよ。
──坂口さんの話は全部「いまを生きる」ということに直結している気がします。生きることに悩む人に対して、スローガンみたいなことを唱える人はたくさんいるけれど、坂口さんは「レイヤー思考」や「空間や時間を拡張していく」みたいに具体的なツールを提示しているところが説得力あると思いました。
坂口 よくわからない理由で、なんとなくぼんやりとした不安を感じている状態になったら、それはほっとけって。むしろそれはクリエイティビティの契機なんだから。そういう時こそ精神の解像度を上げて、必死に考える。生きるとはなんだ。恥ずかしがるんじゃねえよ、みたいな。僕、ずっと「生きるとはなんだ」しか考えてないですからね。
(取材・文=前田隆弘/撮影=尾藤能暢)
●さかぐち・きょうへい
1978年、熊本生まれ。2001年、早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家・作家・絵描き・踊り手・歌い手。2012年5月、新政府を樹立し、初代内閣総理大臣に就任。写真集『0円ハウス』(リトルモア)、著書に『TOKYO 0円ハウス 0円生活』(河出文庫)、『隅田川のエジソン』(幻冬舎文庫)、『TOKYO一坪遺産』(春秋社)、『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』(太田出版)がある。
ブログ「0円ハウス」 <http://www.0yenhouse.com/>
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