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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > “新政府総理”坂口恭平の真意
『独立国家のつくりかた』発売記念インタビュー

「自殺者が3万人いる理由? 僕と会ってないから!」“新政府総理”坂口恭平が本気でやろうとしていること

坂口 僕もそうだし、僕の周りには、会ったら死ぬことをやめたくなるような、面白い人間がたくさんいるわけですよ。そういう奴らが8人くらい集まって、自殺を考えている9人目が入るでしょ。そしたら、そいつはずーっと泣いてるんですよ。つまり、もう心の内をさらけ出せるような関係になっているんです。今までこんな関係を誰かと築いたことがなくて、「なんで何もしゃべらなくても、所属しているような感じがあって、しかも音楽の話とか一発で合うんですか?」って驚くんですよ。僕は5分話しただけでその人の特徴と、いい使い方と完璧な状態がだいたいわかるので、5分で対処法を考える。だから、僕に10分くれって思います。

──僕も坂口さんが提唱する生き方とか考えにはすごく共感を覚えるんですけど、その一方で、「もしかしたら、そうそう実践できるようなものではないのかもしれない」とも思ったりもします。

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坂口 でも、僕にしかできない特殊なことだったら、Twitterもみんな読まないし、あんなにリアクションはないと思うんですよね。これはつまりシンパシーを感じてくれているってことじゃないかって。

──そういう坂口さんの生き方を実践するための具体的なメソッド(方法)について書いたのが、今回の著書『独立国家のつくりかた』だと。

坂口 “独立国家をつくる”って聞くと、今の政府に対するカウンターとして、いわゆる70年の安保的な発想で受け取る人もいるかもしれないですけど、“自分の中に独立国家をつくる」という考えは、小さい頃はみんな持っていたと思うんですけどね。自分の家にこもってファミコンやっているときとか、秘密基地作ってるときとか、僕の中では完全に独立国家の感覚だったんですよ。だって、政府は僕に手を出せないですから。

――この本のキーワードになっているのは「レイヤー思考」(*)だと思いますが、こういう「レイヤー」で考える感覚って、大人になって身につけたものですか? それとも子どもの頃から?
(*物事を「複数の層が折り重なったもの」と捉えて、一つ一つの層に分けてつぶさに見ていくこと)

坂口 ずっとだと思いますね。人間って、どこかの段階で質問することを止めちゃうんですけど、僕は質問を止めなかった。

──子どもの頃から問いかけを常に続けてきた、と。

坂口 小1の記憶ですけど、小学校行く途中に酒屋があって、裏に日本酒の空き箱がいっぱい置いてあるんですよ。で、空き箱をいろいろいじっていると、配置が全然変わってきて。「あれ、これレゴブロックっぽいね?」って感じで、たかちゃん(友人)とやってたら、母ちゃんがそれを知って「ここは酒屋さんのバックヤードだから入っちゃだめだ」と。だから僕は「違う、これは僕の家なんだけど?」「ここは僕とたかちゃんの重要な居住区で、ここがないとやってけないんだけど?」って。でも母ちゃんは「あなた意味わかるでしょ? ここは酒屋さんだから」って。で、僕は「母ちゃんが言うのは一応納得するよ。でも、僕にとってはここは居住区だから」って返した。そのことは強く記憶に残ってる。

──小1で大人の論理に屈しないあたり、すでに坂口さんって感じですね。

坂口 そこは僕らにとってはルーム、完全子宮ですから!

──完全子宮…?

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