“世界滅亡”を願うニート青年の凶悪な恋愛映画『ベルフラワー』の新鋭監督はこうして失恋を克服した!
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火炎放射器、2種類の煙幕散布機能など多彩な秘密兵器をマジで装備しているのだ。
こんな世界なんか滅亡してしまえばいい! 失恋したニート青年は自分をフッた恋人を恨み、世界を憎んだ。怒りがマックスとなった彼は無敵の改造カー「メデューサ号」に乗り込み、火炎放射器で自分の前に立ち塞がるものすべてを焼き払おうとする。6月16日(土)より公開される映画『ベルフラワー』は、かなりイカれた作品だ。核戦争後の終末世界を舞台にした『マッドマックス2』(81)に登場する悪の首領・ヒューマンガスに憧れる若者ウッドローは、仕事もせずに親友のエイデンと共に火炎放射器や改造車づくりに情熱を注ぐアホバカ野郎。そんなウッドローが恋をした。パブで開催された“コオロギの踊り食いコンテスト”で対決したワイルドな女の子ミリーにウッドローはひと目惚れ。ミリーも自由奔放なウッドローの生き方にシンパシーを感じ、2人は激しい恋に身を焦がす。だが、蜜月はあまりに短かった。ミリーの裏切りを知ったウッドローは……。
本作は、これがデビュー作となるエヴァン・グローデル監督が製作・脚本・編集、そして主演も兼ねたもの。いい年して、カルトムービー『マッドマックス2』にハマってる男たちのアホバカぶりと失恋がもたらすリアルな痛みがじんじんと伝わってくる、切ない青春映画なのだ。2011年にサンダンス映画祭で絶賛されるなど、エヴァン監督は世界中のインディペンデントシーンが注目する存在となっている。自身の体験を投影した『ベルフラワー』の日本公開に先立ち、来日したエヴァン監督が製作の裏側を包み隠さず語ってくれた。
ワー』を撮り上げたエヴァン・グローデル
監督。働きながら、映画仲間と共に完成させた。
──メル・ギブソン主演の人気シリーズ『マッドマックス』(79)三部作の中でも、『マッドマックス2』(81)がエヴァン監督はいちばん好きなんですね?
エヴァン イエス! 『マッドマックス2』はマスターピースだよ! もちろん、第1作がいちばん好きだというファンもいるだろうけどね。でも、米国では『マッドマックス2』は『ロードウォリアー』というタイトルで公開されたこともあって、子どもの頃のボクは第1作の存在すら知らなかったんだよ(笑)。
──『ベルフラワー』の主人公ウッドローが憧れるのが、『マッドマックス2』の敵キャラである“ヒューマンガス”。彼のどこに、そこまで魅了されているんですか?
エヴァン ワォ、ヒューマンガス! 彼はサイコーだよ。ヒューマンガスはとってもデカくて、危険な男なんだ。核戦争後の街を略奪して回り、逆らう人間はぶっ殺してしまう。彼には心配事なんか、何ひとつないんだよ。悩みなんか気にせず、「オレはヒューマンガスさまだ」とどっしり構えて、次々と街を占拠していくんだ。
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