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トークイベントで見た空前の女子率! ついに「軍歌ブーム」がやってきた?

「軍歌は政治的な語り口だけでは説明できない。ところが、これまでの日本の軍歌を扱う書籍は、鎮魂とか文化的側面ばかりを重視してきました。戦車を好きな人が軍国主義者だとは限りません。そういうことを語る人とは別に、単純にオタクとして聞いたほうがよい。それを実践したのが、自分の本なんです」

 つまり「政治とか関係ナシにもっと軍歌を聴いて楽しもうぜ!」というのが、本書を通じて辻田氏が訴えたかったことなのだ。そして、最新の軍歌ともいえる北朝鮮の金正恩第一書記を讃える『パルコルム』について熱く語り、敵対しているはずのアメリカの企業が運営するYouTubeに最新の軍歌をアップロードしている北朝鮮当局を絶賛する。

 途中、濱崎氏に「軍歌は新譜を得るのが難しいのでは?」に問われると、「だからこそ、北朝鮮は有り難い」と強調。生きた軍歌を生み出し続けている、という一点だけでこんなに称賛されるなんて、北朝鮮が知ったら驚くだろう。ちなみに、言葉がわからないゆえに、まだ調べ尽くせていない軍歌があることには、悔しさも滲ませていた。

 とにかく、軍歌一筋の人生をおくってきた辻田氏。濱崎氏に「ポップスとか聞かないの?」と聞かれるとこう答えた。

「ポップスってなんですか? 十数年間毎日、軍歌しか聴いてませんよ。家にいるときは声に出して歌っているし、仕事をしている時は脳内で歌っています!」

 そう語る姿は、まさに覚悟を決めた「漢」であった。観客の女子率の高さも納得である。

 まさに空前の軍歌ブームの到来を予感させるトークイベント。配布された辻田氏自作の資料では、紀元前24世紀のエジプト古王国の時代にファラオの宰相・ウニが世界最古の軍歌をつくった記録があるといったトリビアも記されるなど、熱気に溢れるイベントであった。

 上坂すみれ同志のように、声優なのにソ連に対する愛を隠さないような女子まで登場したし、本年の下半期のトレンドは間違いなく軍歌である(なお、辻田氏も機会があれば対談したい、と上坂同志に対する同志愛を語っていた)。

 イベント終了後の懇親会では、軍歌のみならず「左翼系男子ボーイズラブ」同人誌が回覧されるなど、更なる濃いマニアトークが続いた。
(取材・文=昼間たかし)

最終更新:2012/06/12 18:00
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