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日刊サイゾー トップ > カルチャー > 本・マンガ  > 日本人が陰謀説にハマるワケ
『世界の陰謀論を読み解く』の著者・辻隆太朗氏に聞く

日本人が「ユダヤ資本」や「フリーメイソン」が絡む“陰謀論”にハマり始めたワケ

――日本でも、ベンジャミン・フルフォードさんなどが陰謀論的な著作を書いていますが、どう読まれていますか?

 日本で出版されている陰謀論的な本は、資料として読んでいます。しかし、どれも内容に変わりはありません。基本的には同じフォーマットで、取り上げている陰謀の証拠も、これまでの陰謀論者が取り上げている話や証拠と同じようなものしか出てきません。根拠として参照している話も、陰謀論者の中で出回っている話の孫引きにすぎない。参照している原典にも当たっていないと思います。

――最後に、陰謀論とはなんでしょうか?

 陰謀論とは、複雑で曖昧な世界をすっきりわかった気になれる便利な解釈の枠組みだと思います。つまり、世界をどう考えるか、どう解釈するのかという思考の枠組みのひとつです。世界全体を解釈するための世界観という意味においては、宗教やイデオロギーに近い部分があると思う。しかし、宗教やイデオロギーとまったく一緒というわけではない。そこのグラデーションについては、現在も考えているところです。
(構成=本多カツヒロ)

●つじ・りゅうたろう
1978年生まれ。北海道大学文学部卒業。同大学大学院文学研究科博士後期課程在学中。修士(文学)。專門は宗教学。共著書に『よくわかる宗教社会学』(ミネルヴァ書房)、『面白いほどよくわかるキリスト教』(日本文芸社)、『情報時代のオウム真理教』(春秋社)がある。

最終更新:2012/06/07 18:00
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