“落としやすい”女のコがいる大学は……?「平凡パンチ」1980年6月9日号
#雑誌 #出版 #昼間たかしの「100人にしかわからない本千冊」
そこで、明らかになるのは人気トップ3は、東大、早大、慶大という構図。ううむ、現在とまったく変わらないような。さらに、青山学院大、上智大、立教大などの女子は「自校の野郎には目もくれず、にっくき他大学に秋波を送ってやまないのだ」と解説する。さらに、合ハイでもっとも不人気だと指摘されているのが中央大だ。「地理的条件の不利はあるものの、津田塾、共立、白百合、明星、昭和と、片っ端から声をかけてはみても、色よい返事はまるで頂戴できずにいるのだ」というから悲惨。記事では、その反動として内部でカップルが成立して「週末同棲」が急増していることまで指摘している。いや、なによりも、この取材力がスゴイ!
■落ちやすい女子大は、文化女子大と女子美大
ううむ、結局は受験戦争に勝ち残って東大、早大、慶大に通ってなければ、出会いの敗者とならざるを得ないのか。多くの読者が絶望したのは想像に難くない……。と思ったら、記事はそうした相関関係から外れた大学の諸君にも、救いの手を差し伸べてくれる。それは「穴場的女子大」を狙う方法だ。まず挙げられているのが、国立音大、桐朋、武蔵野音大だ。「こういう音楽系の大学は他大と意外につき合いが少ないし、普通の女子大とは一味違った雰囲気を持って」いるんだとか。さらに「ズバリ“落ちやすい”大学」として指摘されるのが、文化女子大と女子美大。加えて、昭和女子大を「寮の門限がキチンとあり、当局の取締りが厳しいゆえに、これから開発の余地がある」と『早稲田乞食』(早稲田大の伝統的ミニコミ誌。まだ、ある)の推薦する女子大として、紹介している。さらに『慶応塾生新聞』(これも、まだ続いている)のコメントとして「上智、青学、立教の女子は学年が進むにつれて、自校の男のコのアラが見えはじめる」ので、高学年に的を絞れば、容易に合ハイを組めることを指南するのだ。
最近「町コン」をはじめ、男女の出会いが再び、アナログな手法へと回帰している。ネットは手軽な出会いのツールなのだが、やはり安心感が違うのか。それにしても、この記事が書かれた80年は現代と比べて、遙かに肉食的だ。アポなしで訪問することが非常識扱いされたり、意中の人に何度も猛アタックすることがストーカー呼ばわりされるようになったのは、いつ頃からなのか。やはり、携帯電話の普及で様相はがらりと変化したのか? まだまだ調査する必要がありそうだ。
(文=昼間 たかし)
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