単純所持違法化の歪み……児ポ根絶セミナーで飛び出すスウェーデン当局の仰天発言
#出版 #児童ポルノ #青少年育成条例 #非実在青少年
(サイゾー)
6月2日、日本国内での「児童ポルノ」の単純所持禁止の必要性、インターネット上の児童ポルノの根絶に向けた国際シンポジウム「第3回児童の性的搾取に反対する世界会議(2008年リオ会議)フォローアップセミナー – インターネット上の児童の性的虐待画像(児童ポルノ)の根絶に向けて」(主催:スウェーデン大使館・公益財団法人日本ユニセフ協会、ECPATスウェーデン、ヤフー株式会社)が東京渋谷区の国連大学で開催された。
シンポジウムの冒頭、挨拶に立ったシルビア・スウェーデン王妃は年間100万人あまりの子供が商業的性的搾取の被害に遭っていることを取り上げ、この被害を防止する効果的な方法として、営利目的である「児童ポルノ」の収益性を絶つことの重要性を強調した。さらに、国際連合の児童の権利条約第二条と選択議定書で示された「児童ポルノ」の定義について触れて日本でも単純所持導入を導入すべきだと訴えた。
「この定義は18歳未満への性的な犯罪のすべてのドキュメンテーションを対象にしています。マンガなども対象になるのです。日本でも単純所持が議論されていることは知っています。スウェーデンでも言論の自由の制限への懸念から反対の声は強かったのですが、1999年から所持は違法化されました。これによって、警察の捜査は円滑化され、犯罪者を裁くことができるようになり、被害児童の特定の可能性が出てきました。日本も我が国の事例にならって欲しいと願います」。
■単純所持で冤罪が立証された例はない!
3時間あまりのシンポジウムでは、多くの人々が発言をしたが、ここでは、閉会後の記者会見で、パネリストのひとりアンダーシュ・ペーション氏に寄せられた質問を紹介したい。ペーション氏は、1997年よりスウェーデン国家警察に所属し、国際刑事警察機構捜査官として、同機構の「子ども虐待画像データーベース(ICAID)」構築に尽力した人物である。
──単純所持の導入すれば冤罪の可能性が懸念される。冤罪に対する予防措置は、どのように行われているのか?
ペーション氏 そういうことに対する懸念は耳にしたことがあります。ただ、警察官として、そういう事件、そういう捜査に出会ったことがありません。ひとつ、警察の捜査官としてコンピューターなどを押収した場合にとる予防策としては、ソフトウェアを探そうとするわけです。冤罪になるような誰かがワザと入れるようなことを可能にするトロイの木馬とか、そういうコンピューターウィルスを探します。でも、警察官として、実際にそうした事態に出くわしたことはありません。
──そうしますとスウェーデンは1999年の1月1日から単純所持を違法化していますが、現在まで10数年あまりの間に冤罪が発生した事例はひとつもないと理解してよろしいでしょうか?
ペーション氏 被告が、画像がコンピューターの中に故意に入れられたということを主張したことはありますが、それが正しいと立証されたことはありません。ですから、他人がコンピューターに画像を入れたということは主張はできるわけですけれども、私が知る限りにおいてそうした情報が事実だったということを掴んだことはありません。
──では、質問を変えましょう。現在、日本ではスウェーデンの漫画翻訳家であるシーモン・ルンドストローム氏が日本の漫画をコンピューター内に所持していた、これが「児童ポルノ」にあたるとして最高裁まで争っている事件が注目を集めています。これについては、スウェーデンの警察はどのような見解を持っているのか、教えて頂ければと思います。
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