トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > カルチャー > 本・マンガ  > モテるオタクになる本『モタク』

「モテるオタクに、俺らだってなりたい!」非モテオタクに捧ぐコミュ指南書『モタク』

bziwohap.jpg『モタク』スコラマガジン

「俺らはモテない! なぜだ!」
「オタクだからさ!」

 と自虐コントを即興で打てるくらい非モテ人生に慣れてしまったオタク。

 彼らは自分の好きなものに対して情熱的に入れ込むあまり、軽薄でライトな生き様がクールとされる現代社会において「キモい」位置づけとなってしまった不幸な存在だ。

 だが、そんな冷たい視線に耐えてなお自分の愛する作品に殉じる彼らの姿は、まさに隠れ切支丹。どんな迫害にも負けず、ストイックに道を究めんとするオタクの生き様は、感動的ですらある……。

 とか何とか言いながらも、彼らの本心はどうだろう。あえて言おう! 「それでもやっぱり恋人が欲しいんだよぉぉぉぉ!」であると!

 非モテ男子が集まるサークルの中に萌え萌えボイスのオタク美少女が入ってきたら、彼女を巡って内紛は勃発するし、アイドルに生活の全てを捧ぐピュアガールでもコンビニの店員のお兄さんに優しくされれば胸がキュン♪ としちゃうもの。

 そんな「フツーの男女」と同じくらい恋愛に憧れを抱くオタクだが、なぜうまくいかないのか。やはりオタクに恋愛なんて夢のまた夢……ということなのだろうか。
かと思えば、オタクなのに素敵なパートナーを持つ人もいる。

 「ただしイケメンに限るんだろ」とツッコミが入りがちだが、イケメンじゃなくても幸せな恋愛をしているオタクも大勢いる。

 彼らと俺達の違いは一体どこなのか。そこにズバッと答えてくれるのが本書だ。

 本書ではオタクな夫と出会い、結婚にまで至ったアルテイシア女史(ちなみにアルテイシアとは「機動戦士ガンダム」に出てくる金髪美女セイラ=マスの本名である)が、パートナーとの出会いと彼がなぜモテなかったのか。また、彼のどんなところに惹かれたのか。

 また、周囲の非モテオタク男子とのエピソードなど身近な話題を取り入れつつ、「なぜオタクが恋愛に失敗するのか」「どうすれば上手な恋愛ができるのか」を懇切丁寧に解説してくれる(というわけで、本書のメインターゲットはオタク男子である)。

 面白いのは、従来の恋愛啓発書にありがちな「異性を喜ばせるコツ」や「デートのマナー」といったモテるための小手先のテクを解説するのではなく、「こう言ったら相手はどう思うか」「こういう気づかいをすると円満な人間関係が築ける」といった基本的なコミュニケーションの取り方のアドバイスから始まり、少しずつ恋愛に発展させるための解説が展開していく点だ。

12
ページ上部へ戻る

配給映画