いまや小学校は麻薬やポルノ商品の流通場所!? 日本一の事件屋が語る、恐るべき事実の数々
#本
警察庁の調べによれば、2011年の強姦事件の認知件数は1,402件。このうち約8割は屋内(住宅やホテルなど)で起きており、うち半数近くが住宅(団地やマンション、一戸建て住宅)で発生している。強姦事件の多くは住宅で起きているのだ。常習性のある性犯罪者たちは、一人暮らしをしている女性宅を狙って犯行に及ぶ。女性だけが住んでいるマンションが狙われるのは、ある意味必然といえるかもしれない。また、著書の中では、こうした事件の背景に、一部の不動産管理会社から合鍵が暴力団に流出していた事例もあるとの実態も明らかにしている。
「管理会社が鍵を横流しするなんてありえないという、性善説で組まれたスキームの中で起きている事件なんです。こうした約束ごとは、一握りの不届き者の出現であっけなく崩壊します。つい先日も、大手警備会社『セコム』の社員が、かつて自身が警備を担当した居酒屋に忍び込み、売上金を盗んで逮捕されました。今の日本では、残念なことに性善説で組まれた無邪気なスキームはもう通用しません。そのことを自覚する時期に来ているでしょう」
また、平塚氏はこうした事件の多くに共通するのが「人間関係の希薄さ」であるとも指摘する。「小学生の運び屋事件」は、親子間のコミュニケーションが密ならば、親が子の変化に気づくはずであり、「女性向けマンションでの強姦事件」についても、地域コミュニティのつながりが薄くなっていることが背景にあるというのだ。
「犯罪者を対象にした『どんなときに犯行を思いとどまったのか』というアンケート結果があるのですが、回答で最も多かったのが『住民にあいさつされたり、声をかけられたとき』でした。見知らぬ人でもあいさつするような地域では、犯行を犯してもすぐに通報されて捕まってしまう可能性が大きいと彼らは考えます。結局は、家族や友人、地域コミュニティのつながりがしっかりしていれば、多くの事件は未然に防げるのです」
現代社会の複雑な事件も、諸悪の根源は案外、昔と変わらない。大きな事件に巻き込まれる前に、まずは身近な人間関係から見直すことが重要といえそうだ。
(文=編集部)
●ひらつか・としき
平塚総合研究所所長。武蔵野学院大学客員教授。エビデンサー(証拠調査士)。某大手メーカーで年間1,000件を超えるクレーム処理を担当。在職中にトラブル対応ノウハウを会得。2004年に危機管理専門コンサルタントとして独立。一部上場企業や医療機関、弁護士事務所などを指導。
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