“不良の格闘技大会”『THE OUTSIDER第21戦』緊急レポ！　因縁の対決は衝撃決着へ──

　セコンドの三枝美洋から「相手のコンビネーション、めちゃくちゃ速いよ。思っている以上に速い」と聞かされると、比夏瑠は「マジっすか……？」と一瞬顔を強ばらせたが、「ミドルを蹴った後、ディフェンスを下げない」などの具体的なアドバイスを受けながらミット打ちをするうちに、気合いがみなぎってきた様子。「エイッ！」「エイッ！」というかけ声とともに、「バチーン！」「ズドーン！」という力強い音が鳴り響いた。

　そして、いよいよ選手入場。比夏瑠はいつものように拳を振りながらリング上をグルグル駆け回るパフォーマンス。先に入場していた金太郎のコーナーに近付くと、肩越しに一瞬ガンを飛ばすが、金太郎はそれを無視。

　両者、コーナーを背にして試合開始を待つ。その間、金太郎はこみ上げる怒りを眉間に凝縮させたような顔で、正面の敵をじっと見据える。

　そしてゴングが鳴るやいなや、金太郎の怒りが大爆発した。キレのいいコンビネーションパンチをことごとくヒットさせながら猛進。相手に何もさせないまま、あっという間に試合を終わらせてしまったのだ（1R18秒TKO勝利）。

　その猛攻を連続写真で振り返ろう。

　勝った金太郎は、マットに這いつくばる比夏瑠に向かって鬼の形相で何事か叫んだ後、セコンドに抱え上げられて喜びを爆発させ、そして勝利者マイクでは母親への感謝を口にして涙ぐんだ。なんとも喜怒哀楽の激しい男である。