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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > サイケデリック・マスター田名網敬一
アジア・ポップカルチャーNOW!【vol.27】

“田名網チルドレン”続々……アジア各地で熱烈支持されるサイケデリック・マスター

Eccentric City_with PHUNK.jpgPHUNKとのコラボレーション展『奇想都市 – 生成と崩壊』(2010)より。

 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』……子どものころ、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、日本のポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。

第27回
アーティスト

田名網敬一

 毎回、日本のポップカルチャーに影響を受けて育った、アジアのクリエイターたちを紹介している「アジア・ポップカルチャーNOW!」。今回は、趣向を変えて、今まさにアジアのクリエイターたちに強い影響を与えている日本のアーティストにご登場を願った。
 

Arched-Bridge-to-Labyrinth.jpgArched Bridge to Labyrinth (2011)
Acrylic Paint on Canvas (c)Keiichi Tanaami

 田名網敬一。言わずと知れた日本を代表するポップアーティストであり、その作風から「サイケデリック・マスター」の異名を持つ。今年77歳を迎える田名網だが、その創作パワーは衰えることを知らず、むしろこの10年ほどは、全世界のアート・シーンを舞台に破竹の勢いで進撃し、サイケデリックの火焔を吐くがごとくの活躍を繰り広げている。

 旅行が嫌いで、海外でひっきりなしに開催される自身の展覧会にも、本人が赴くことはめったになく、「自身の脳内への旅」こそがクリエイティビティの源、という田名網だが、その作品は海を越えて、海外のアーティストたちに絶大な影響力を与え続けている。とくにアジアでの田名網人気は、ここ数年ヒートアップ気味で、アジア各地で彼を慕い、「自分は田名網敬一の弟子」と言ってはばからないクリエイターたちが続出しているほどだ。

 その代表格が、シンガポールのPHUNK(ファンク)。2010年、彼らは田名網と地元シンガポールにおいて2度のコラボレーションを果たしている。学生の頃からの憧れである巨匠との共同作業は、彼らにとって「またと得られない学習の場でもあった」という。

「田名網さんが、孫弟子の扱いでもおかしくない僕たちに、まったく手を抜くことなく対峙してくれたことで、僕たちもフルパワーで、真っ向から彼に挑むことができました。その懐の深さと、惜しげもなく与えてくれたアーティストとしての心づもりや制作に対するスタンスが、どれだけ僕たちの血となり肉となったかしれません」

Golden-skeleton.jpgGolden skeleton(2011) (c)Keiichi Tanaami
Superabundant-existence.jpgSuperabundant Existence(2011) (c)Keiichi Tanaami

 構想期間も含めて足かけ2年にわたる2度の共同制作を終えた後、ファンクの作風は事実、驚くほどの進化と深化を遂げた。

 ファンク以外にも、この「アジア・ポップカルチャーNOW!」に登場したクリエイターだけでも、MOJOKOマイケル・パンチマンなど、田名網ワールドにノックアウトされた手合いは後を絶たない。

「あの止めどもない発想力をどうやって維持しているのか、本当に不思議です。しかも、最近の作品だけでなく、彼が60年代、70年代に発表した作品も、今でもまったく新しく、新鮮なインパクトを与えているんですから」

 パンチマンは、田名網作品についてこう語った。

 現在開催中の最新展覧会(http://contrarede.com/tanaami/)で、田名網はTシャツをキャンバスに見立てた新作をなんと100点、発表している。

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