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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 橋下徹の盟友が裏口入学?
元木昌彦の「週刊誌スクープ大賞」第138回

橋下徹の盟友・松井大阪府知事に‟裏口入学”の過去?

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グランプリ
「松井一郎大阪府知事 裏口入学を告発する!」(「週刊文春」5月24日号)

第2位
「東京電力『10%値上げ』に全国民で反対しよう!」(「週刊ポスト」6月1日号)

第3位
「野田聖子『奇跡の出産』の陰で献身夫『裏切りの二股愛』」(「週刊文春」5月24日号)

第4位
「『新報道2001』吉田恵と『トイレの神様』プロデューサーの不倫現場」(「週刊文春」5月24日号)

第5位
「日テレ『元報道局のエース』が告白『テレビの原発報道はひどすぎる』」(「週刊ポスト」6月1日号)

 今週は力作がそろった。中でも、週刊文春と週刊ポストが抜きん出ている。どれを選ぼうかうれしい悲鳴を上げ、悩んだ末にベスト5位まで挙げてみた。

 早速、5位の記事。今年の3月に日本テレビを辞めた水島宏明解説委員(現法政大学教授・54)が、テレビの原発報道を批判をしている。

 彼は、良質なドキュメンタリー番組として評価の高い「NNNドキュメント」のディレクターとして「ネットカフェ難民」シリーズなどを制作してきた。

 東日本大震災以降、「NNNドキュメント」の企画会議では、「うちは読売グループだから、原発問題では読売新聞の社論を超えることはするな」と言われたという。どこのテレビ局も同じだが、新聞社の意向を無視して現場の判断だけでドキュメンタリーをつくることはできない。ましてや、読売は正力松太郎元社主が原発推進を日本で進めた「原発の父」であるから、なおさらであろう。

 こうした現場軽視の現状を痛感し、日テレを辞める決意をする。今年の3月11日、震災一周年の各局の特番を見ていた彼は、

「正直、日テレが一番ひどいと感じた。被災地と直接関係のないタレントの歌を流し、キャスターは被災地を訪れて『復興』を強調するものの、そこには報道の基本である視聴者の教訓になる情報がない。取材も表面的で、被災者のリアリティが伝わってきませんでした」

 そうしたことをみんなが感じていたのに、誰も何も言わなかった。

 最後の出勤日となった3月30日、報道フロアに集まった同僚に対して彼はこう言った。

「ひどい番組をひどいと言えない。それではジャーナリズムとは言えない。事実を伝える仕事なのに。もっと議論して、言いたいことを言い合おうよ」

 しかし幹部が同席していたため、それに賛同する声はなくシーンと静まり返っていた。

 日テレ系列の福島中央テレビは震災翌日、福島第一原発1号機の水素爆発の瞬間をメディアで唯一、撮影して速報した。

 ところが、その映像が日テレの全国ネットで流れたのは1時間もたってからだった。報道局の幹部が、状況が確認できないまま映像を流せば、国民の不安をあおって後から責任を問われかねないと、専門家の確認が取れるまで放映を控えてしまったからだ。

 水島は、影響がどこまで及ぶかわからないからこそ、「確認は取れていないが爆発のように見える現象が起きた」といい添えて流すべきだったと話す。

 しかもこの経緯は、いまだに社内で検証されていない。本社や記者クラブ詰めの記者の多くは、原発事故で信頼を失った後も、国や東電の言うことをメモするだけで、現場に行って自分の目で確かめることはほとんどしない。

 彼はこうした現状を変えるために日テレを辞め、学生に本来のジャーナリズムを教えたいと話す。

 私も大学で、編集やジャーナリズムを教えて10年以上になる。メディアで働く教え子も増えてきたが、私は彼らに真のジャーナリズムを教えただろうか、はなはだ心許ない。初心に帰ることを、この記事は教えてくれた。

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