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萩尾望都、竹宮惠子、こうの史代も講演

日本のマンガがヨーロッパ最大の美術館を席巻!! 仏・マンガイベントを現地レポート!

「今まで自分が見てきたアニメーション映画の中から、子どもから大人まで楽しめる作品を中心に選びました。上映プログラムは、週ごとに『ロボット・サイボーグ』や『妖怪』といった日本文化を象徴するテーマを設定して上映しています。フランスでのマンガ・アニメブームはロボット作品から起こったという背景があり、ロボットアニメは今でも根強い人気です。また『妖怪』は、ジブリ映画などの作品の影響で、フランスでも『Yokai』として一般的になりつつあります。西洋の『お化け』と比べ、より“人間的”な日本の妖怪は我々フランス人にとってとても興味深いのです」

france03.jpgマンガを読みながらくつろげるスペースも。
日本のアニメも放送され、その人気の高さが
うかがわれた。

 それを証明するように、同美術館内最大のスクリーンを使って上映された『もののけ姫』は、上映終了後スタンディングオベーションが起こるほどの盛況ぶりだったという。

 また、ポンピドゥー・センター併設の公共情報図書館(BPI)では「Planète Manga!」をきっかけに2,500冊のマンガを収集し、イベント期間中に一般公開がなされた。これまでパリ有数の図書館であるにも関わらず、BPIにはB.D.やマンガの収蔵作品はほとんどなく、例外的に欧州最大級のマンガフェスティバルである「アングレーム国際マンガ祭」の受賞作を収蔵するにとどまっていた。今回のイベントをきっかけに、初めて本格的なマンガの所蔵に取り組んだBPIであるが、司書のGislaine Zanos氏の話によると、まだマンガに詳しい司書がおらず、今後の収集や公開については未定とのことだ。

france04.jpg休憩スペースに陳列されたマンガ。『DEATH
NOTE』(集英社)などのメジャー作から、
『未来日記』(角川書店)や『GUNSLINGER
GIRL』(メディアワークス)といった通好みのもの
まで並んでいる。

 収蔵作品の選定に協力したフランス唯一のマンガ喫茶である「Manga Café」の店長に、フランスのマンガ事情について尋ねてみると、

「フランスでの日本マンガの流行は、ほとんどが少年マンガ、しかも冒険ものに限られています。しかし、最近では青年マンガや少女マンガの出版も盛んになってきています。そこで、BPIでは、多様なマンガの存在を伝えることができるようなマンガを選びました」(Manga Café店長)

 陳列の仕方についても工夫が施され、「フランスの書店では、日本マンガは作品名のアルファベット順に並べられていることが多いのですが、これでは同じジャンルや同じ作者のマンガでも離れた位置に並んでしまい、コアなファンでないと目的の作品を見つけることが難しかった。そこで、BPIでは、日本マンガを独自に『冒険』『スポーツ』『日常』など8つのジャンルに分類し、そのジャンルごとに棚を構成しました。こうすることによって、既存のマンガファンだけでなく、日常的にマンガを読まない図書館利用者にも手に取ってもらいやすくしました」(前出のZanos氏)。

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