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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 存続危機の「ガタケット」開催

参加者の意識が問われる時! 存続危機のガタケット会場で意見交換会開催

「イベントの売り上げは3年前に5,600万円あったものが、前回3,600万円まで落ち込みました。ガタケットSHOP(画材販売、コピー、印刷などを提供する常設店舗)の売り上げも、5,000万円から4,000万円まで落ち込みました。13名の常勤スタッフには、3年前から経理をすべて公開しています。また昨年7月からは全員の給与明細を見せ、個々人の業務内容に応じて給与の削減も行っています」

gata3.jpg存続の危機が叫ばれる一方で、多くの
人々がこの日を心待ちにしていることも
明らかなのだ。

 経営努力を続けている坂田氏だが、年6回開催されるガタケットと、ガタケットSHOPは、地元の若い世代にとって同人誌あるいは漫画文化に触れる最初のステップとしての機能も果たしてきた。それゆえに、不採算な部分をカットしたり値上げをすることも容易ではない。坂田氏は経営者として必要以上に利益を追求してこなかったことを自省しつつも、参加のハードルを上げることを懸念する。

「ガタケットは、なんでサークル参加費が2,600円なのか? と問われることもあります。しかし、中高生が参加しにくくなることを考えると、3,000円にはしたくないんです」

 参加者からの問いかけに丁寧に答える坂田氏だが、中でも注目されたのは、新潟市長が記者会見でガタケットの支援を考えていると報道された件だ。対して坂田氏は、

「市の発表には驚きましたが、あくまで“支援を検討するように示唆”という、すごく遠い話です」

 やはり、行政に頼るのではなく、参加者も含めて考えなければ解決の道筋は立てられない。実は、ガタケットがこうした意見交換会を開催するのは、これまでなかったことだ。その理由は、撤収作業の時に坂田氏自身もフォークリフトを運転したりしなければならないので、時間の調整が困難だったから。今回の意見交換会を皮切りに、参加者が主体的に考える流れが広がっていくことを望んでやまない。ただ残念に感じたのは、ガタケットというイベント自体、中高生と女性が多いイベントにも関わらず、意見交換会の参加者の多くが「ベテラン参加者」だったこと。これからを担う世代も含めて、ガタケットの未来を考える「場」を創造せねばならない。
(取材・文=昼間たかし)

最終更新:2012/05/11 15:00
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