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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 存続危機の「ガタケット」開催

参加者の意識が問われる時! 存続危機のガタケット会場で意見交換会開催

gata1.jpg意見交換会は予定時間を大幅に超過し、3時間
あまりにも及んで激論が交わされた。

 老舗同人誌即売会・ガタケット(新潟県)主催の「ガタケット121」が4月29日、新潟市産業振興センターで開催された。ガタケットは今年3月末、地域経済の低迷や東日本大震災の影響に加え、会場日程の問題により存続の危機にあることを発表。この時点で、参加サークルが募集スペースの半数にも満たない500~550サークルという厳しい状況だったが、危機を知った多くの人々が参加意思を表明。直接参加860サークル、委託参加183サークルを迎えての開催となった当日を取材した。

 ガタケット121の開幕に先立ち、代表の坂田文彦氏は、今回参加してくれた人々へ向けて感謝の言葉を告げる。「ありがとうございました」と繰り返しながら、深々と頭を垂れ涙ぐむ坂田氏に、スタッフはそっとティッシュペーパーを差し出す。開場予定時刻を超過し10分あまり続いた坂田氏のあいさつに対して、会場からは「サカタ! サカタ!」とコールが響き渡り、拍手が送られた。

gata2.jpg開会のあいさつで早くも涙する坂田氏。

 筆者も、ガタケットを訪れるのは、かれこれ4年ぶりのこと。危機的状況にあると聞いていただけに、どれだけ大変なことになっているのかと心配していた。しかし、一般参加者が入場してくると各々のサークルスペースはにぎわい始め、会場の一角に設けられたDJブースの周囲には踊りの輪もできあがっていく。確かに、サークル参加の減少により存続の危機にはあるものの、ガタケットを楽しみにしている人々が減ってはいないことは間違いないようだ。

 それがとくに印象づけられたのは、通称「昼の儀式」だ。これは、毎回正午になると、アニメ『宇宙大帝ゴッドシグマ』のテーマ曲が流れ、サビの部分で参加者全員が拍手で調子をとる習慣だ。音楽が鳴り始めると、サークルも一般参加者もコスプレイヤーも揃ってスタンバイを始める。中には早くも踊り始めている人の姿もあるではないか。30年あまりにわたって続いてきたこのイベントが、新潟に「文化」として定着していることは異論を挟む余地がない。また、友人と再会して会話を楽しんでいる人の姿も多く見かけた。ガタケットは、単に同人誌を売り買いするだけではない「場」としての役割を果たしているのだ。

■サークル参加費を3,000円にはできない

 今回、イベント以上に注目したのは、筆者もパネリストとして招かれた(注:自腹)、閉会後の意見交換会だ。この席上、坂田氏は詰めかけた参加者に対して、経営状態を包み隠すことなく説明した。

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