「市長の毒舌で知名度アップ?」佐賀県武雄市の“新図書館”構想が大炎上中
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<僕が言っているのは、「5月6日20時40分、42歳の市内在住の男性が、「深夜特急」「下町ロケット」「善の研究」」を借りた。」ということそのものについては、個人が特定できないし、仮にこれが外部に出ても法令に照らし、全く問題がない、これが僕の見解であり、図書館の貸出履歴は、これをもとに、個人情報に当たらないって言っているんです。個人が特定できない。その中で、この情報はとっても貴重で、図書館の本の品揃え(武雄市立図書館は市民から成る選書委員がいます。)に当てたり、リコメンド(本を借りる人に、別の本の推薦)にあてたいって思っています。>(原文ママ)
と、さらに説明を加えている。つまり、樋渡市長の構想では個人が特定されない方法でデータを集積し、それをもとに「おすすめの本」を推薦する、Amazonのようなシステムを提供しようとしていると推測される。これ自体は便利なシステムのように見えるが、当然、図書館には膨大なデータが蓄積され、それを一企業が管理することになるわけだ。個人が識別できなくても年代や性別などを含んでいれば、数が揃えば貴重なマーケティングのデータになる。図書館関係者が危惧しているのは、まさにこの部分である。
「CCCが狙ってるのは、膨大な図書館利用者の情報です。彼らの目的は、片田舎にすぎない武雄市を突破口にして図書館事業を全国展開することにあるんです」
と、ある図書館関係者は話す。すでに、全国の図書館関係者による組織である日本図書館協会や図書館問題研究会では、武雄市の構想を問題視し、阻止のための行動を準備中だという。
一方で、樋渡市長は高木氏にブログで「公開討論をやろう」と呼びかけたり、「(氏とのTwitterでのやりとりなどを)あなたがリツイートした内容も含めて上司に報告し判断をしてもらいますし、多くの国会議員にその内容を報告します」とツイートしたり、騒動は単に図書館の問題を超えて、妙な方向へ展開している。少なくとも、2006年に誕生したばかりの無名な自治体が全国的に注目を集めているのは確か。これは、新手の炎上マーケティングなのだろうか。
(取材・文=昼間たかし)
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