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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > つくづく“角栄になれなかった男”
元木昌彦の「週刊誌スクープ大賞」第136回

政治の流れは橋下徹へ? つくづく“角栄になれなかった男”小沢一郎

 このままでは命が危ないと思って部屋を飛び出し、逃げたというのである。

 決心を促した理由はもう一つあった。中学3年生の弟が来年、貴乃花部屋へ入門する予定だったので、それを止めるためでもあったのだ。

 「新潮」によれば、これまでも貴乃花部屋では、親方による暴行が10人少々の弟子たちに対してほぼ満遍なく行われていたという。

 貴乃花部屋は、先代の二子山親方時代から鉄拳制裁が部屋の伝統という環境にあったといわれるが、今の時代、問答無用の暴力で弟子が居着くはずがない。

 5年前に時津風部屋で親方や兄弟子たちによる暴行で弟子が死亡し、逮捕される事件に発展した。その後、相撲協会は再発防止を誓い、稽古場に竹刀やバットを置かないよう厳重注意したのだが、以後も、春日野親方のゴルフクラブによる暴行や、芝田山親方が書類送検される事件が続発するなど、角界の体質は変わらない。

 そこに、角界の体質を改革すると唱えて理事に就任した貴乃花だったが、裏の顔がこのザマだったとは。

 それにしても、異常に激やせした貴乃花が薄ら笑いを浮かべながら弟子を殴るのは、ホラー映画のようで怖いな~。

 今週のグランプリは、松田賢弥記者を起用して小沢一郎の隠し子問題を抉った「週刊文春」に捧げる。

 これまでも、小沢が総理になるチャンスは何度かあった。彼は、いろいろな理由をつけて断ってきたが、その背景には不透明なカネの問題と、愛人との間にいる“隠し子問題”があるといわれてきた。

 よく知られているように、かつて紀尾井町にあった料亭の女将と小沢は相思相愛だった。しかし、結婚したかった二人を田中角栄が許さず、現在の妻である和子と結婚させてしまったのだ。

 しかし、結婚後も二人の関係は切れることはなく、現在も続いているというのが大方の永田町住人たちの見方である。

 94年、私が「現代」の編集長の時に、松田記者に「小沢に隠し子がいる」というルポを書いてもらったことがある。

 その当時、小沢の彼女が3歳の男の子を突如養子として引き取り、手元で育てているというウワサが流布していた。

 彼女の子ではないのは間違いないが、父親は誰で、母親は誰なのか。

 そのルポでは、父親は小沢一郎で母親は芸能界にいた女性だったと書いた。二人の接点は小沢が幹事長の時、ホテルのスイートルームを貸し切り、小沢たち数名と彼に呼ばれた女性たちが飲み食いするパーティーが何度か開かれたことがあった。

 小沢と彼女はそこで知り合い、しばらくして彼女は姿を消してしまうのである。そして90年夏に、彼女は男の子を出産する。

 その子を2年半も手元で育てながら、なぜか小沢の彼女にその子どもを渡してしまうのだ。

 このあたりまでは、当時の「現代」に書いてある。

 松田記者はその後もこの情報を追い続けて、今回、その子を産んだ女性と結婚した男性と親しかったという、Xなる人物に接触することができた。

 その当時の詳しい経緯を聞き出すことに成功し、産みの母とその娘の育ての母親にも直撃インタビューしている。

 松田記者の執念が、政治家にとって一番嫌な隠し子の存在を白日の下に晒したのである。

 妊娠中、彼女は小沢の友人で世田谷区野沢で不動産売買を営む男に、中絶を要求されたこともあったという。

 その男が、彼女が出産後、小沢とのメッセンジャー役も担ったと松田記者は推測する。

 小沢の彼女(文中では裕子になっている=筆者注)に引き取られた子ども(文中では健太=筆者注)のその後を、こう書いている。

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