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被ばく牛を通して“いのちとは何か”を問う「希望の牧場・ふくしま」写真展

bokujofukushima02.jpg怪我を負った牛を保護する吉沢正己さん(本写真展から)

「私が初めて原発から14キロの距離にある希望の牧場に立ったのは約1年前の6月19日でした。当初は、取材の傍ら月に2~3度、自宅のある岐阜県から片道800キロの道のりを運転して牧場に通っていました。警戒区域なかでは多くの家畜が餓死し、畜舎の床一面にはウジがわいて、無惨な姿を晒していました。当時の放射線量は手持ちのガイガーカウンターで毎時9,999マイクロシーベルト以上。そんななか被ばく覚悟で牛に餌を与え世話を続ける地元畜産農家の吉沢正己さんと村田淳さんに出会います。今回の写真展は、地元農家と個人ボランティアらが自身の危険をかえりみず、被ばくした牛を、生かしたままひとの役に立てることはできないかという思いから、国が下した殺処分に抵抗し、守り続けた1年の記録です。経済価値を失った家畜の生きる意味とは何か、その家畜を守り続ける農家の生きがいとは何か、そういった視点でこの写真展をご覧いただき、いのちとは何かをもう一度考えるきっかけになれば幸いです。またこの写真展は希望の牧場の活動にご賛同いただき、ご支援いただいた多くの方々への中間報告でもあります」

 事故から1年以上が経過したいまもなお、警戒区域ではひとをはじめとした動物たちの悲劇が続いている。しかしその実情が大手メディアで伝えられる機会は少ない。「希望の牧場・ふくしま」では、本写真展の開催に合わせ、被災農家によるトークショーや東京電力前での抗議デモなどを予定している。

●「希望の牧場~ふくしま~」写真展
日時:5月11日~14日(午前11時~午後7時 ※最終日は午後3時まで)
場所:東京・渋谷「アート・イン・ギャラリー」
東京都渋谷区神宮前4-25-3、http://homepage3.nifty.com/art-in-gallery/
入場:無料
詳しくは、「希望の牧場・ふくしま」まで。(メール:kibouno.bokujyou@gmail.com、電話:03-3496-2177)

最終更新:2012/05/07 20:53
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