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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > AV30・安田理央×高橋源一郎
「AV30」シリーズ発売記念ロング対談!!

AV誕生から30周年の思い出をAV好き作家・高橋源一郎とAVライター・安田理央がアツく語り合った!!

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■AVは多様性を取り戻せるか?

高橋 安田さんがこれからのAV業界に望むことって、なに?

安田 僕はやっぱり、多様性が欲しいんですよね。S1もプレミアムも好きだけど、はじっこにV&R的なものも成り立ってほしいなって。いろんな作品があって、全部ひっくるめてAV。「AVの世界は広い」っていうのが面白いので。

高橋 それはあらゆるジャンルでそうだよね。多様性が失われた世界は一番恐いから。

安田 90年代初頭のカンパニー松尾さんたちって、AVの枠を広げる作業をしてきたんですよ。いまは逆に、「ヌクためのAVを深く掘っていく」作業がメインストリームになっちゃってますよね。もちろん、そうすることでAVの完成形が出来上がったことはひとつの大きな成果ではあるんですけど。

高橋 売れなきゃしょうがないんだけど、王道だけになっちゃうとね。辺境開拓っていうか、「こいうのもアリか!?」「AVってそんなこともできるの!?」みたいな新たなジャンルも、きちんと出てきてくれないと。

安田 それこそ、黒木香のホラ貝吹きを見たときのような衝撃が、最近はあまりない。

高橋 でもさ、人間から、性欲っていうか、エロスがなくなるはずはないからね。AVもビデオテープからDVDになって、いまはネット配信になりつつあるでしょ。そうやって変身を繰り返して、その過程で一度ガクンと落ちたりするのは、長い歴史の中ではしょうがないよね。文学だってさ、すごくダメなときなもあるんだよ。でも、そしたらまた違うものを見つけて、変わっていくの。そういうもの。

安田 男と女がセックスしてる映像は、どこかで必ず流れてるわけですしね。カタチが変わっていくだけで。

高橋 そう。男と女がセックスしなくなったら、もうどうしょうもないでしょ。それは世界の終わりだからね。
(取材・文=須藤輝/撮影=編集部)

●やすだ・りお
1967年、埼玉県生まれ。風俗、AVなどのアダルト系記事を中心に、一般週刊誌からマニア誌まで、幅広く執筆。現在、AV30年史をメーカー横断的に振り返る「AV30」プロジェクトを進行中。著作に『エロの敵――今、アダルトメディアに起こりつつあること』(翔泳社)など。

●たかはし・げんいちろう
1951年、広島生まれ。81年、『さようなら、ギャングたち』で、講談社の群像新人長編小説賞優秀賞を受賞。88年、『優雅で感傷的な日本野球』で第1回三島由紀夫賞受賞。その他の著書に『虹の彼方に』『ジョン・レノン対火星人』(共に講談社文芸文庫)、『日本文学盛衰史』『恋する原発』(共に講談社)など多数。05年より明治学院大学国際学部教授を務める。

●作品解説
アダルトビデオ30周年記念プロジェクト 「AV30」
アダルトビデオ誕生30周年を記念し、主要AVメーカー40社超が集結。12年1月より6月まで毎月5本、計30本のコンピレーションAVが続々とリリースされる。

『メーカー横断ベスト!!! 小室友里8時間』『【AV女優日本代表】 熟女☆JAPAN』などの女優重視 のセレクトから、『AV30年史3 ハード・陵辱の名作編』『アナルSEXの殿堂 【肛門プレイ大全】』など の企画重視のセレクト、さらには、『メーカー横断ベスト!!! カンパニー松尾8時間』といった、監督重視のセレクトまで盛りだくさん。

各巻に封入されているライナーノーツも読みどころ満点。安田理央氏のほか、藤木TDC氏などのAVに詳しいライター陣のみならず、カンパニー松尾編では松尾氏みずからが解説。

全作品8時間、いずれも税込2,980円(税込)で続々発売中!!
公式サイト<http://www.av30.jp/

最終更新:2014/03/03 15:45
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