センター街をバスケットボールストリートに改名したのに全然浸透していない件
#Business Journal
4月23日(月)にサイゾーが“満を持して”オープンした新ニュースサイト「Business Journal」では、話題の企業・経済ニュースから、ビジネススキル、蓄財・運用、充実したプライベートライフを実現させるための実用情報まで、“本音の”情報をお届けします。
今回は「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップ! このほかにも、東電、AIJからスマホ、FX、AKBまで、サイゾーだから書ける“ディープ”かつ“役に立つ”情報が満載ですので、ぜひともご覧ください!
センター街をバスケットボールストリートに改名したのに全然浸透していない件 – Business Journal(5月9日)
放送作家の鮫肌文殊氏と山名宏和氏が、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問を人気放送作家が直撃解決! する連載「だから直接きいてみた」。月刊誌「サイゾー」で連載していた同企画が、ビジネスジャーナルで復活!
今週は鮫肌文殊氏が、東京・渋谷のあのストリートの新名称に切り込んだ――。
[回答者]渋谷センター商店街振興組合事務所 様
本誌の「サイゾー」で連載していた「だから直接聞いてみた」が、このたびWebのほうで復活することとなった。いままで通り私、鮫肌と山名宏和に、同じ古舘プロジェクトの後輩放送作家の林賢一が加わって、3人が週替わりで担当していくので、皆さん、どうぞよろしくお願いします。
さて、記念すべき復活第一回目の今回であるが「名前」について書いてみたい。私の名前、鮫肌文殊っていうのはもちろんペンネームである。これが本名なら親をうらむ。このヘンなペンネームを名乗って以来、名刺交換した時にまず聞かれるのが「これって本名じゃないですよね?」。経験上、こう問う時の相手は絶対に半笑いだ。そしてペンネームである旨を告げると次に聞かれるのが
「なんで、鮫肌なんて名前にしたんですか?」
今まで何千回説明してきたであろうか。こんなペンネームをつけてしまったのは自分なのだから、仕方ない。私はこう返す。
「実は子供の頃からマンガ家になりたくて、マンガ誌に投稿してまして。その時に本名だと担当の編集者に覚えてもらえないって考えたんですよ。それで、当時流行っていた手塚治虫先生の人気マンガ『ブラック・ジャック』に出てきたサメ肌の女の人のエピソードから頂きました。サメ肌って響きはインパクトあって一回聞いたら絶対に忘れないじゃないですか。え? 文殊のほうですか。これはたまたま広辞苑引いたらそのページに載ってました。サメ肌と合わせてみたら妙に座りが良かったんで、鮫肌文殊って名前にしました」
そしてここまで話してから、自嘲気味にこう言う。
「私の本名なんだと思います? 井上英樹っで言うんですよ。すぐ忘れそうな平々凡々な名前デショ?」
これでだいたい相手は大笑い。言わば、私の初対面の相手に対する「つかみはOK」な名前を使った鉄板ネタなのであった。
でもこれ、個人のペンネームだから許されるが、街の名前だったらどうだろう? いきなり「ここは今日から鮫肌って名前の街になりました」って言われたとしたら? 「おい、おい!」って突っ込まれるに違いない。
しかーし!
現実にいきなりヘンなペンネームを名乗りだしたような街があるんですね。だから直接、渋谷センター商店街振興組合事務所に聞いてみた。
「渋谷センター街をバスケットボールストリートに改名したのに全然浸透していないと思うんですが、なぜ改名したんですか?」
担当者 えーっとですね、センター街っていうのは、まぁ、怖いとか汚いというマイナスイメージがテレビなどで全国的に広まってしまったという感じだったんですよ。クリーンなイメージにするために変えたんですね。
――でもなんで、バスケットなんですか?
担当者 あのですね、渋谷の健康な若者の通り=スポーツ、ファッション、国際色=バスケットボールということで(笑)。
――えっ(笑)。そんな理由なんですか?
担当者 まぁ、それ以外にもバスケットボールの聖地が代々木の千駄ヶ谷の体育館ということもありますし、それと組合の中でも、組合としてbjリーグっていうバスケットボールリーグを応援していたということもあって。まぁコラボといいますか。それでバスケットボールストリートと名付けたんですね。
――ぶっちゃけ、あまり浸透してませんよね。
担当者 はい。もうすぐ1年ということでモニュメントなんかを作って、センター街=バスケットボールっていうのをみんなにわかってもらうというのをやっていこうとは考えていますけど。
――モニュメントですか……。
担当者 そうですね。みんなあんまりイメージがないってうのをおっしゃりますのでね(笑)。だんだんわかっていってもらうように頑張っていこうと思っています。
中島らものエッセイに似たような話があった。例えば、鈴木一郎ってヤツがバンドを始めたとしよう。鈴木は、ある日突然仲間うちで宣言する。「オレのこと、今日からジョニーって呼んでくれよ」。でも、周りはガンとして認めない。「ジョニーって! お前は昔っから、鈴木やんけ」
これと同じ現象がいまの渋谷で起こっているのだ。長い間、本名の「渋谷センター街」で呼ばれてきたのに、いきなり「オレ、もうワイルド系キャラやめたから! 今日から、さわやか系にイメチェンしたいんで、バスケットボールストリートって呼んでくれよ。よろしくね♥」
多分、全く浸透しないまま終わるんだろうなあ。今回のギモンのために、渋谷行ってよく見たら確かにセンター街の入口にバスケットボールのモニュメントらしきブツが、ひっそりと作られていたのでした……。
(文=鮫肌文殊)
※このほかにも「Business Journal」には、ビジネスパーソンを刺激する記事が満載!ぜひご覧ください!
■そのほかの記事(一部抜粋)
内定ゼロ東大生が増殖中 勘違い、バカ正直に、企業も辟易…
スタバのロゴから「COFFEE」が消えた! ジュースショップへ脱皮を図る?
4人に1人は再犯10回以上! 刑務所の老人ホーム化が止まらない
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事