実写版『荒川アンダー ザ ブリッジ』監督・飯塚健が勝手に提案する白戸家CMの最終回とは?
【「サイゾーpremium」より】
──2011年、史上初の5年連続CM好感度No.1を獲得したソフトバンク。そのメインCMのひとつが、上戸彩らが出演する、白戸家シリーズだ。日本史上最長の放送時間を記録するなど、話題を呼び続ける同CMはこれからどんな展開になっていくのか……映画監督の飯塚健氏に、最終回を夢想していただいた──。※なお、本編はソフトバンク社の白戸家CMとは、一切関係ありません。ですが、孫さん、ぜひご検討を!
ンペーン時のひとコマ。アヤは「まだまだ子ど
も」だからと、毎日職場に来る父に、「もう子ど
もじゃないもん!」と言わんばかりの表情。まだ
まだアヤちゃんの思春期は、実際続いているのかも?
[あらすじ] 北海道犬である父・次郎、樋口可南子演じる美しい母・マサコ、上戸彩演じる娘・アヤ、ダンテ・カーヴァー演じる兄・小次郎という、4人家族の白戸家。高校教師であり、なぜか犬になってしまった父と、その勤務校の校長を務める母、ソフトバンクショップ店員のアヤに、ある日突然黒人になってしまった兄──それぞれがさまざまな思いを抱えて過ごす中、アヤの“結婚”話が持ち上がる。複雑な思いをめぐらせる父。結婚式の前日、父の誕生日に、家族は、父は何を思うのか──。
最近、身に覚えのない痛みが増えた。心も躰も、どちらもだ。良質なドキュメンタリーを見たのならまだしも、安易な狙いが透けた映画に触れても、素直に涙を捧げてしまう。弱くなった涙腺に、俺の感性こんなに安かったっけな、とふと思う。
二十歳の自分が五十歳の自分を見たら、なんて言うだろうか。ダサくなりやがって、と笑うだろうか。なぜ犬の姿をしてるんだ、と驚くだろうか。
こんなはずじゃなかった、なんてことはまるでない。上出来だと思う。俺は幸せだぜ、たとえ犬でも、と二十歳の自分に胸だって張れる。涙腺の緩みは、その証拠だ。
それでも、隙ができる時はある。隙間の「間」だ。「魔が差す」は「間が刺す」と書いてもいい気がする。ひとりで酒を飲んでいる時、仕事に煮詰まっている時、或いは後輩たちの悩みを聞いている時、映画や小説に感動を覚えた時、そのほかさまざまな瞬間に、「もしも」を考えてしまう。
もしもあの時、違う選択をしていたら──。
たどり着いた現在は、大きく違ったことだろう。少なくとも、犬にはならずに済んだかも知れない──そんな想像の旅くらい、許してほしい。
今日もふとした瞬間に旅に出た。仕事の合間、遅めの昼食をとりながら、広げた文芸誌がきっかけだった。『誇り』というタイトルの、こんな投稿エッセイがあった。
『私は白戸次郎、父親だ。
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