本性は気弱で甘ったれ!? 紳助独占インタビューを裏読み!
#雑誌 #出版 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
「ただ一つ、写真の件だけは僕のミスです。あの写真は何年前のか知らんけど、ホンマに記憶になかった」
と、あっさり認めている。
だが、所有している不動産取引に暴力団が関与していたという報道に対しては、激しく否定している。
「それが一番腹が立つねん。僕は使いきれないくらいの十分な給料を貰っていました。マジメな話、そんな人間が『企業舎弟』とか『暴力団と地上げ』をするリスク背負うわけがないやないですか。そんなことしていたら、いまごろとっくに警察に逮捕されていますわ」
逮捕情報もあったがという問いには、
「逮捕どころか、警察に呼ばれてもいないでしょ。何でかと言うたら、不動産って売買記録が残っている訳です。いくらで買っていくらで売ったか。調べたら明らかなんですわ。高く買って、暴力団に裏金渡していたらアホですわ、俺」
女性関係については、
「共演した女性タレントと全部関係あるみたいな書き方ですやん。男の友達もいるけど女の友達もいるでしょ。女友達で、書かれた中で95%はウソですわ。ゼロとは言わんけど」
暴排条例のスケープゴートにされたと思うかという問いには、
「ひとつの目玉になったんかな。人の悪口言うつもりはないけど、ヤクザと飯を食ったことのある人、いっぱいおるんちゃうの? 他の方も写真が出たり、会うたりしたんでしょ? なんで俺だけ? まったく一緒なのに、なんで俺だけ犯罪者みたいな言われ方をされなあかんの」
と反論し、あの時「すいませんでした」と謝罪して、そのまま仕事を続けていてもよかったと「後悔」しているという。
だが、それとは反対に、55歳でキッパリ芸能界を引退した上岡龍太郎を尊敬していて、ああなりたいと思っていたともいう。まだ完全引退か復帰かで揺れているのであろう。
芸能界には、
「あんだけ書かれて、そんなに嫌われてるんなら戻る必要はないわ、というのが正直な気持ち。こんな世界やったんかって、終わってからあらためて気がついた」
と話す反面、「ただ、いつか『テレビに出れる人』には戻してほしい」と、こう語っている。
「自分の中で確定していることが2つあります。『もう仕事はしない』『政治家にならない』。芸能界への未練はぜんぜんない。もうやり尽くしたと思っています。ただ、いつか『テレビに出れる人』にはしてほしい。一連の報道の中で、まるで島田紳助が犯罪者のようになっているのが嫌や。犯罪者やからテレビはNGという空気になっている。テレビに出れる人に戻してくれよというのはある」
これからは、世界中を旅行して回ろうと思っているようだ。一時は自殺まで考えたという。
「引退して苦しいこと、悔しいことばかりでした。でも生きているだけで人間、幸せなものなんです。いやー死なんで良かった、生きていて良かった。今ではホンマにそう思ってます」
以前公開されたメールでも、確か「死にたい」と何度か言っていたと思うが、この男、本性は気弱で甘ったれな人間なのだろう。
潔くなどと言いながら、上岡のようにすっぱり芸能界から身を離すことができず、テレビや視聴者から「戻ってこいよ」と言われるのを今か今かと待っているのだ。
だが、こんな世界やったんかと気がついたのなら、芸能界などには二度と戻らず、第二の人生を歩くことを勧める。
一度懐に飛び込んだ人間を、暴力団が放っておくはずがない。それが彼らのやり方なのだから。また同じようなトラブルを起こす可能性が高いと思う。
このままいけば、紳助という面白い芸人がおったなと、視聴者の心に残り続けるはずだ。それを胸に、違う道で成功するのが格好いい生き方だと思うが、どうかな、紳助さんよ。
(文=元木昌彦)
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。
【著書】
編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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