貼って貼られて貼り返されて!? 「ビックリマンチョコ 悪魔VS天使シール」今昔物語
#サブカルチャー #バック・トゥ・ザ・80'S
以降、赤塚不二夫、手塚治虫風のキャラクターが描かれた「まんギャシール」、風景写真とコミカルなイラストの組み合わせがシュールな笑いを誘う「特ダネシール」などが登場。一発ネタのインパクト重視なシールは、これまたいずれもヒット。
このように、さまざまなアプローチでユーザーを「ビックリ」させてきたビックリマンチョコだが、動物と物体の掛け合わせキャラが登場する8代目「まじゃりんこシール」、当時の流行やダジャレを元にしたキャラクターが登場する9代目「ギャグポスターシール」辺りから、キャラクター性を強めたシリーズが多くなっていく。
そして85年、ついに空前の大ヒットシリーズである10代目「悪魔VS天使シール」がスタートすることとなる。
時代はファミコン全盛期。『スーパーマリオ』に代表される個性的なビジュアルを強調し、アイコン化されたゲームキャラクターが人気を得るようになってきた時代だけあって、たった1枚で強烈なインパクトを残すシールは容易に子どもたちに受け入れられた。また、2枚、3枚とシールを集めていくことで、どんどん広がっていく奥深い世界観も、子どもたちの探究心を刺激。
シールをコレクションすることで、より悪魔と天使の抗争のドラマを堪能できるという物語性とコレクション性を兼ね備えた「悪魔VS天使シール」の新鮮な魅力に、全国の子どもたちは酔いしれた。
■年間4億食が売れた? 驚異のビックリマン伝説
とはいえ、「悪魔VS天使シール」が後に30年近くも熱烈なファンがつくようなヒット作になるとは、最初は誰も思ってはいなかったようで、事実、第2弾まではそこそこ売れていたものの、「次にヒットが出なかったら、もう終わりにしよう」とロッテ社内でも意見が交わされていたそうだ。
その流れが大きく変わったのは、第3弾が登場した頃だ。
それまで「スーパーゼウス」「シャーマンカーン」など、天使側のヘッド(各弾に1~2枚のレアシール)しか存在しなかったところに、敵対する悪魔側のヘッド「スーパーデビル」が登場。さらに悪魔側のリーダーとしての形態のほかに、天使側に潜入するために変装した「偽神」状態のシールも用意され、一層ドラマ性が強調されるようになる。
そのせいかは定かではないが、この第3弾が登場した頃から急激にビックリマンチョコの売り上げが上がり始めたそうだ。
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