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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 『夏色キセキ』大コケの予感
週刊アニメ時評 第10回

「見たかったのはコレジャナイ!?」声優アイドルアニメ『夏色キセキ』に早くも黄色信号

natsykiseki.jpg『夏色キセキ』公式サイトより

 番組改編期の4月に突入し、新たなアニメが続々スタートした今日この頃。眠れぬ夜を過ごしているアニメファンも多いことだろう。

 今クールはおよそ40タイトルの新作アニメが放送を開始しており、個性的なキャラクターたちが日々テレビモニターを賑やかに盛り上げている。

 その中でも、いろいろな意味でアニメファン注目の一作となっているのが、女子中学生たちのひと夏の物語を描く『夏色キセキ』(MBSほか)である。

 本作は、『けいおん!』で一世を風靡した豊崎愛生、寿美菜子も所属する声優アイドルユニット「スフィア」の4人がメインヒロインを演じており、結成当初より実現を目指していた企画でもある。いわば、「スフィアが主演するために作られたアニメ」なのだ。

 そのため、キャラクターデザインや性格付けをはじめ、各メンバーのユニット内での立ち位置などパブリックイメージを連想させるような部分が多々あり、声優ファンならずともニヤニヤする箇所が随所に盛り込まれている。

 また、素朴な少女たちの友情を描く上で、自然が豊かで懐かしさもある風景が必要、という理由から舞台を静岡県下田市に設定。昨今の聖地巡礼(アニメの舞台となった実際の場所を訪問する行為)ブームを強く意識しているほか、近年、萌えアニメとのコラボに積極的なローソンとのタイアップを実現。劇中に「これでもか」と登場する下田市の風景や、ローソンの店舗が登場するなど、マーチャンダイジングにも積極的に取り組んでいる姿勢がうかがえる。

 そんな、“覇権アニメ”として成功することを宿命付けられた『夏色キセキ』だが、地上波での放送に先駆け、ニコニコ動画内で第1話の先行配信が行われた。ここでの視聴者の反応はというと、「微妙」の一言に尽きる。

 配信終了後のアンケート結果も「とても良かった」が18.5%、「まぁまぁ良かった」が31.8%、「あまり良くなかった」が27.9%、「良くなかった」が21.9%と実に微妙なもの。その結果を見た本作を手がける水島精二監督も、「賛否両論、受け止めて、最後までがんばりますよー!」(抜粋)と本放送前の作品にしては控えめな表現のツイートを投下していた。

 そもそも、なぜ本作がそんな「微妙」な評価になってしまったのだろうか。

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