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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 『SR3』入江監督インタビュー
『サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』公開記念小明の突撃インタビュー

「ぬるま湯もウソではないけれど――」入江悠監督『SR3』が叫んだボンクラたちの夢の後先

入江 イックとトムはどんどん生活感がなくなっていきますからね。“ラップの妖精”みたいな感じです。あの2人がいなかったら、ものすごくハードになっちゃいますよね、映画もマイティの人生も。

――『SR3』は今までと趣向を変えて、バイオレンスな方向にいったのはなぜですか?

入江 東映の深作欣二監督の映画が好きで、『仁義なき戦い』とか、ああいうのをやりたいって思っていたから。それに震災以降、いろんなことが剥き出しになったじゃないですか。生きるか死ぬか、いろいろリアルになった。今までの、コタツの中にいるみたいな、ぬるま湯もウソではないけど、もう『SR』シリーズを始めた2009年とは変わってきちゃったんじゃないかな。

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――確かにそうですね。『SR2』が群馬のくすぶってる女の子たちに火をつけにいく話だったので、てっきり今回も栃木でそうだろうと思っていたら、主役がまさかのマイティで驚きました。

入江 よぼよぼのお爺さんラッパーとか、ガキんちょラッパーとか、いろいろ考えたんですけど、どっちも撮るのが大変だな、と思って(笑)。

――栃木、老人だけはいっぱいいますからね……。最近、千葉にあった私の実家が母親の実家近くの栃木に移ったんですけど、母が「千葉ではお婆ちゃん扱いだったけど、栃木だと若者扱いになった」って喜んでました。

入江 そんなに格差が!?

――行ってみたら、確かに市内にいる人間が母よりも年上の、それこそ腰が曲がった方と、たまにその息子夫婦+孫、みたいな感じで……。でも、さすがにあんなにモヒカンだらけの労働者の集う修羅の街ではなかったですよ! 監督、栃木にどんな印象を持っているんですか?

入江 世紀末(笑)。いや、うちの父親も宇都宮出身なんですよ。『北斗の拳』みたいなのがいっぱいいる、殺伐とした街として栃木を描いちゃいましたけど、本当に若い人は昼いないですよね。栃木も全域を回って日光のほうまで行ったんですけど……あ、佐野にはいます。でっかいショッピングモールがあるんで。

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