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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 無人駅で“駅寝”にチャレンジ!
元祖聖地巡礼の旅【3】

無人駅で孤独に過ごすぜいたくな一夜 鉄道旅行の至高の楽しみ方

hiruma_mujinneki_005.jpgこの駅で、かけこみ乗車をする人がいるとは思えないけどね。

 設備的には、昨晩よりも豪華だ。駅舎にドアはあるし、トイレもキレイ。さっそく準備をして、とりあえず終電が過ぎるまで待つことに。と、そこへ突然、自動車の音が聞こえたかと思うと、駅舎の傍に停まるではないか。小心者の筆者は、思わず身を隠す。車から出てきた人も、なんだか恐る恐るこちらを伺っている様子だ。車の中でガサゴソやっている様子なので「何も見ていないことにしよう……」と、気配を消してみる。……保線区の人であった。単に作業着に着替えただけのようで、しばらく線路をうかがうと、また車に乗って去って行った。うーん、この真っ暗な山道を、一人で車でやってきた彼のほうが、よっぽど怖かったはず。

 さて、この夜は完全に一人。川の流れを除いてはまったく音がしない、静まりかえった空間で過ごすことになった。これも駅寝の魅力の一つ。最近では、高い山に登っても、頂上は大賑わいだったりして、なかなか自然の中で孤独を楽しむのは難しい。何より、駅寝ならわざわざ岩にしがみついて山に登ったり、必死で自転車のペダルをこがなくても、孤独を楽しめるところへ運んでくれるのが楽だ(いや、もちろん登山も自転車も筆者は大好きです)。とはいえ、やはり一人だと、やることもなくて気がついたら深い眠りの中へ……。

hiruma_mujinneki_006.jpg夜が明けると、目の前には天竜川が流れていた。


 翌朝目覚めて、驚いた。夜の闇でまったく見えなかったのだが、駅は天竜川の雄大な流れに面していたのだ。うん、やはり朝一番の驚きこそ駅寝の醍醐味だ。

hiruma_mujinneki_007.jpgしばし、この風景も独り占めだ。


hiruma_mujinneki_008.jpg天竜峡駅の船頭は外国人でした。

 単に駅で寝る。それだけのことで、ちょっとした冒険気分を味わうことができる、それが駅寝だ。おそらく冬の北海道でもなければ、日本のどこでも駅寝は可能なはず。ぜひ、多くの人々に挑戦してもらいたいものだ。あ、最初にやるなら夏になってからがいいよ!
(取材・文=昼間たかし)

最終更新:2012/04/11 19:52
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