殺風景な仮設住宅のイメージがガラっと変わる!?『仮設のトリセツ』
#本 #東日本大震災
「首都圏で4年以内に70%」「東海地方では30年以内に88%」など、近い将来、巨大地震の発生が予測されている地震大国ニッポン。いまや、“仮設住宅住まい”は、他人事ではないのかもしれない。
東日本大震災から早1年。今も多くの被災者が仮設住宅での生活を余儀なくされている。仮設住宅というと、避難所よりはずっといいけれど、殺風景でなんとなく生活感のない印象があるが、そんなイメージをガラっと変える1冊『仮設のトリセツ――もし、仮設住宅で暮らすことになったら』(主婦の友社)が発売された。
「仮設住宅」と「トリセツ」――。一見、違和感がある言葉の組み合わせだが、「もし、仮設住宅で暮らすことになったら……」というネガティブな問いをポジティブに変えるヒントがつまっているのだ。
仮設住宅には、意外と知られていないルールがいくつかある。入居期限は原則2年(場合によって延長できることもある)。家賃は無料だが、水道・ガス・電気は居住者負担となる。生活に必要な電化製品6点は日本赤十字社によって希望者に支給されるが、テレビは32インチの液晶、炊飯器は5.5合などサイズが決まっている。また、こまごまとした物は家族構成に合わせて支給され、「100点セット」と呼ばれることもあるが、下着は上下3セット、靴下2枚などのほか、綿棒や目ざまし時計などもある。
一言に“仮設住宅”といってもさまざまなタイプがあり、コンテナユニットによるちょっぴりおしゃれな3階建て、切妻屋根、ログハウス型、一戸建てなどなど。さらに海外では、トレーラータイプ(アメリカ)、ブルーシート(インド)、高床式(インドネシア)など、日本以上にバリエーションに富んでいる。
■仮設の達人~究極のリフォーム~
たとえ、期間限定の仮住まいとはいえ、仮設住宅は“自分の家”であることには変わりない。本書では、そんな仮設住宅の住み心地をよくするためのリフォーム術が写真やイラスト付きで多数紹介されているが、リフォームというより、カスタマイズに近いのかもしれない。軒先のひさしは当たり前。洗濯物も干せる玄関前の「風除室」や、花壇、ベンチ、キッチンカウンターなど居住者のアイデア満載だ。さらに、床下や隙間をうまく使った収納上手さんまで登場。仮設住宅には次の入居者はいないため、すぐに取り壊せるレベルのDIYが可能。よってこのようなリフォームが手軽にできるのだそうだ。
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