不況時代に強い!? 『お願い!ランキング』『お試しかっ!』に見るテレ朝の企画力
#アニメ #テレビ朝日
番組改編期になると、テレビ朝日でよく放送される「懐かしアニメ」系の番組。最近は、三ツ矢雄二などの声優が多数出演するのも、ひとつのパターンになっている。
でも、そもそもテレビ朝日のアニメといえば、『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』くらいで、王道アニメは他局の借り物がほとんど。ところが、声優を使えば他局のアニメでも素材を借りずに成立するだけに、権利関係の予算よりも返って安上がりだったりするのだろうか。
ある放送作家は言う。
「テレ朝ではアニメ系のランキング番組を昔からやっていますが、ジブリなど素材が使えないものは除外してきましたし、たとえば自分の局の『ドラえもん』でも、昔の素材は使えないなどの制約がかなりあるんですよ。それが『お願い!ランキング』でアニメの回をやった際に三ツ矢(雄二)さんらを起用したところ大当たりしたので、特番でも声優を集めてやろうということになったのだと思います」
とはいえ、『お願い!ランキング』自体も“深夜番組”というお金がない時間帯の発想から生まれたものであり、企画の面白さ+「時間帯にちょうどいい温度感」がウケたのではないかと分析する。
「『お願い!ランキング』では、これまでバラエティではイジらなかった“企業”をイジってみたところ、これが大成功しました。あえて酷評することでそれが宣伝になると今では企業側もわかっていますが、以前は企業モノは持ち上げるのが普通であって、最初は交渉がきつかったと思いますよ」(同)
企業を扱うものとしては、『お試しかっ!』の人気企画「帰れま10」などもおなじみだ。これらの背景には、やはりテレビ朝日の企画の立て方があるのだろうか。テレビ朝日関係者は言う。
「局の規模として、フジテレビや日本テレビは予算規模が大きく、かつてはその下にTBS、テレ朝、テレビ東京が続きました。テレ朝はもともとお金をかけられないという歴史があり、派手にタレントをたくさん呼ぶような“タレント頼み”の番組ができないだけに、企画力でどうにかしようという面はあります。テレ朝はタレントとのコネが圧倒的に弱いですからね(苦笑)。たとえば、タレントのブッキング力が大きいのはフジテレビで、テレ朝がブッキングできるのは昔から石原軍団くらいでした。今でこそジャニーズをブッキングできるようになりましたが」
そういえば、“イケメンシェフ”川越達也も“美人料理研究家”森崎友紀も、ブレイクのきっかけは『お願い!ランキング』だった。
「タレントをブッキングできないから新たなスターを発掘できる、という点はあると思います。芸人に関しても、昔は若手芸人をたくさん使う番組なども深夜にやっていましたが、なかなかブレイクせず、ずっと地道にやり続けて最近ようやく花開いた人たちがたくさんいますからね」(同テレ朝関係者)
予算の縮小などから、高額なギャラを支払い、たくさんのタレントを集めて作る番組は成立しづらくなっている昨今。「ブッキング力が弱い」歴史の中で地道に企画を練り続けてきたテレ朝が、ちょうど不況の時代にピタリとハマッてきているのかも。
お願い!ランキング! おねがい戦士 ストラップフィギュア おねがいイエロー
打ち切りなんてウワサもあったけど……。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事