長嶋茂雄の裏金擁護発言に疑問符「ミスターは犬になったのか、記者が勝手に作ったのか」
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さすがのミスタージャイアンツにも、今回は批判の声が多い。朝日新聞による巨人の契約金超過報道について、読売新聞は3月20日の朝刊で巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(76)のコメントを掲載。「選手たちの心の傷は相当に大きい。そう簡単には癒えないだろう」と、高額な契約金をもらったと報じられた6選手を被害者とし、問題自体も「ルールを破ってはいない」と断言。「誰が内部資料を渡したのか」と朝日に情報を流したネタ元を批判した。
このコメントは先に朝日批判を繰り広げた巨人の渡辺恒夫会長の発言にそのまま沿うもので、ネット上にも「まるでナベツネの犬」「ナベツネの操り人形みたい」という声が殺到している。巨人の応援団員を20年以上も務めている会社員・斉藤和之さんでさえも「晩節を汚したと思う」とガッカリしている。
長嶋コメントについては、昨年11月に清武英利GMが解任されたときも「清武氏の言動はあまりにもひどい。戦前、戦後を通じて巨人軍の歴史でこのようなことはなかった。解任は妥当だと思います」という談話が読売から発表され、「本当に長嶋さんが言ったのか」とファンの間で議論を呼んだ。
長嶋監督本人の爽やかなイメージもあるだろうが、2004年に脳梗塞で倒れて以降は会話に影響が出たことで、近年は公の場に出てきても口数は多くない。読売グループの独占取材では長文コメントが出ているが、取材をした他紙の記者からは「ゆっくりと話す感じで饒舌ではなく、あの早口でテンポよく話す“長嶋節”はなくなっていた」という証言もある。
「なでしこジャパンが優勝したときも、昔だったら長嶋コメントをもらったのでしょうが、難しいから原辰徳監督にしたほど」(同記者)
それだけに発表されたミスターのコメントは、たとえ本人が発していても“言わされている感”が拭えないが、同記者によれば「2月に宮崎キャンプに長嶋監督が訪れたとき、寒いというジェスチャーをしただけで、一部記者が『今日も寒いねえ』とあいさつしたと書いていた」(同記者)というから、コメントの創作度が高くなっている可能性はある。
「取材者がコメントをうまくまとめて作ることはあるけど、誘導尋問のように質問したことにうなずいただけで、ハッキリと語ったようなコメントに置き換えたとしたなら問題」(同)
1月、DeNA・中畑清監督の就任を祝う会に出席した長嶋監督はやはり言葉を発するのがスムーズではない様子で終始、笑顔を作るだけでおとなしかった。その印象と今回、出されたコメントにはかなりのギャップがある。
この件について朝日新聞の若い記者に聞いたところ「正直、長嶋さんには肉声で言われないと本当にそう語ったのか疑いたくなる」と言っていたが、多くのファンもそう思っているのではないか。
(文=鈴木雅久)
あの長嶋節をもう一度。
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