トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > カルチャー  > もこみちのピュアさにロックオン! DVDで楽しむ『MOCO’Sキッチン』
追いオリーブオイル、塩ファサー......

もこみちのピュアさにロックオン! DVDで楽しむ『MOCO’Sキッチン』

81mKkoTv6lL._AA1500_.jpg『MOCO’Sキッチン Vol.1』(バップ)

 朝の情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)内で、和製ジェイミー・オリヴァーこと俳優の速水もこみちが、毎日3分間のクッキング・ショーを繰り広げる人気コーナー「MOCO’Sキッチン」。

 「なんにでもオリーブオイルを使う」「お手軽レシピと言いつつ見たこともない謎野菜を使う」「家庭的な料理と言いつつチーズを3種類使う」など、2011年4月のスタート以来、ネットを中心にその自由さばかりが取り上げられ、「追いオリーブオイル」「塩ファサー」といった面白造語まで生まれた同コーナー。しかしまずは、エンターテインメント性の高い海外テイストのクッキング・ワンマン・ショーを忠実に輸入し、日本に広く浸透させることに成功した初の番組として素直に評価したいのだ。


 そんな「MOCO’Sキッチン」のDVD『MOCO’Sキッチン Vol.1』(バップ)が今月発売となった。いつもワイプで見せる半笑いのスタジオの様子は楽しめないものの、「骨付き鶏もも肉のワーテルゾイ」「うなぎの変わりちらし」「ロコモコ」など過去に番組で紹介した15レシピの映像に加え、50分にわたる特典映像には、収録現場の裏側、もこみちのスペシャルインタビュー、DVD用限定レシピ「チキンとハーブのグリル~バルサミコ風味の野菜とともに」を収録。すなわち、料理完成時にドヤ顔と共に繰り出すキメゼリフ「今日はこれで決まり」がこの1枚で16回も聴けてしまうのだ。

 収録現場の裏側では、もこみちが300以上ものレシピを書き溜めているという私物のノートの中身や、自宅で栽培しているハーブの写真を披露。「番組のすべてのレシピを自分で考えている」という彼が、私生活から料理と向き合っている様子が感じ取れる。また何より、彼の素の表情を見ていると、「まっすぐな道」という意味の込められた「もこみち」という名の通り、まっすぐでピュアな人柄を愛さずにはいられなくなるだろう。

 しかし、『きょうの料理』(NHK)や、『キユーピー3分クッキング』(日本テレビ系)で紹介される「今日すぐに作れるレシピ」がおなじみの日本人にとって、突然「仕上げに食用花とピンクペッパーを散らせば、完成!」(DVD収録「マッシュポテトのピザ風」より)などと言われたら、びっくりしてしまうかもしれない。しかし固定観念を捨て、いっそのこともこみちのことを「日本語をしゃべる外国人」だと思ってしまえば、そんなレシピも違和感なく受け入れられるのではないだろうか。もしかしたら、いや確実に、もこみちは海外の人気料理人を、俳優として演じてきっているのだから。

 もちろんDVDには、2ちゃんねる的視点からのお楽しみも健在だ。最初の収録レシピ「牛フィレ肉のサラダ」は、オリーブオイルで焼き上げたステーキにさらにオリーブオイルを絡め、オリーブオイルであえた野菜の上に盛り付けるという料理であるし、得点映像のオリジナルレシピで彼は、「僕はこれくらい焦げたのが好き」と言うが、我々からすると鶏肉を明らかに黒く焦がしている。

 また、これはDVD制作スタッフが視聴者に寄ろうとした思惑が見えてしまい、筆者個人としては彼が少々気の毒に感じてしまったが(すでにもこみちに心を奪われているため)、特典映像のインタビューで「(自宅のキッチンに)オリーブオイル20本くらいはありますね。ちょっと形がかわいいものがあったら飾ったりとか、いろんな産地のオリーブオイルを集めてますね」とプライベートのオリーブオイル事情について答えさせられている。何はともあれ「好きだとは思っていたけどそこまでとは……」という驚きを得られる貴重な映像だ。

 インタビューの最後、「何に挑戦してみたい?」との質問に、もこみちは「海外に行って『MOCO’Sキッチン』をやる」と答えている。「『MOCO’Sキッチン』をやる」というのは、海外で番組をやるということなのか、海外で料理を学びたいという意味なのか真意は図れないが、とにかく彼は世界に目を向けている。オリーブオイルを抱え、速水もこみちが狭い日本を飛び出す日も近いかもしれない。
(文=林タモツ)

MOCO’Sキッチン Vol.1

これで決まり!

amazon_associate_logo.jpg

最終更新:2013/09/06 19:10
ページ上部へ戻る

配給映画