「髪形で温首相に敬意の日本人記者」は人民日報のねつ造か!?
#中国
3月14日、中国の全国人民代表大会(全人代)が閉幕した。今回の全人代で温家宝首相は、政治成長優先だった従来路線を修正し、経済や社会の安定を重視する新路線を表明。今年の経済成長率の目標を、前年の8%から7.5%に引き下げる方針が採択されるなど、変化の兆しを印象づけるものとなった。
また、閉幕後に行われた記者会見で温首相は、重慶市の王立軍副市長による、米総領事館駆け込み事件について触れ、重慶市トップの薄熙来党委書記を批判したことでも注目を集めた。
そんな話題づくしの全人代に関し、中国共産党の機関紙である「人民日報」がフォーカスしたのは、ある男性カメラマンの髪形だ。同紙は、全人代の記者会見の取材に、短髪の頭を「温」の字を刈り込んで臨んだカメラマンの姿を写真入りで報じており、しかも記事では彼を「日本の記者」であるとしている……。
ちなみにこのカメラマンは2010年と2011年の「両会」の期間中にも、共産主義のシンボル「鎌と槌」や中国の国旗「五星紅旗」を刈り込んだ髪型で記者会見に登場しているという。
この報道を受け、中国版Twitter「微博」上は、「日本人記者も温首相に敬意」「髪形は気持ちの表れだ」などといった書き込みにあふれた。
しかし日本人から見ると、このカメラマンの表情や服装はどことなく中国人風に見える。また、記事では「日本人」とも明言されておらず、あくまで「日本の記者」との表記にとどまっており、実際は日本のテレビ局と契約している中国人カメラマンなのかもしれない。
ただ記事では、日本のどこの局のカメラマンなのかについては触れておらず、彼が持つカメラにも局の名前やロゴは確認できない。いずれにしろ、意図的なものを感じずにはいられない今回の記事。「人民日報」の真意はいかに!?
(文=牧野源)
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