「Perfume海外進出」は宣伝文句? Jポップのお寒いマーケティング事情
#Perfume
海外進出を標榜する歌手やバンドが増えている。先月末に徳間ジャパンからユニバーサルミュージックに移籍すると発表したPerfume、デビュー当初から世界展開を行ってきたきゃりーぱみゅぱみゅ、アジアや欧米でのライブツアーを現在行っているラルク・アン・シエルなどがその代表例だ。彼らの活躍ぶりを伝えるレポート記事も数多い。
もっとも、一連の海外進出計画に「見通しはさほど明るくない」と疑問符を投げかける向きもある。
「Perfumeの海外進出というのは、ユニバーサルへの移籍にともなう“大義名分”を示すためにとりあえずブチ上げた、という印象ですね。実際に決まっているのは、海外でもダウンロード販売するというくらいで、具体的な売り出しプランはまったく見えません。人気的にもそろそろピークアウトしそうな彼女たちだけに、海外進出ネタで箔をつけたいマネジメント側の意図は感じますが」(音楽事務所関係者)
先日、恋人俳優との半同棲生活が「フライデー」(講談社)に報じられたきゃりーぱみゅぱみゅについても“企画先行”の声が上がっている。
「きゃりーぱみゅぱみゅの売り出しは、業績低迷に苦しむワーナーミュージックの“起死回生”を狙ったプロジェクトです。海外でプロモーション動画がそれなりに話題になったのは事実ですが、音源販売やライブ活動で今後たくさん稼げるかどうかは未知数。それよりも、コカ・コーラなど大企業とのCM契約が次々に決まっているあたり、海外ネタで話題を作って、国内で稼ぐという構図が見えますね」(前出の関係者)
今後のJポップ歌手の海外進出については、「海外の音楽市場がかつてないほど冷え込んでいる」という点から否定的な見方もある。
「CDやダウンロード販売の落ち込みは日本よりも欧米のほうが深刻で、アジアではそもそも正規の音楽サービスを利用する習慣が根付いていない。また、各国の音楽市場はここ10年ほど内向き傾向を強めており、アメリカでヒットした歌手が欧州でまったくウケないケースなどが増えています。欧米やアジアの市場でJポップが受け入れられる余地は、10年前よりも少なくなっているのではないか」
(音楽雑誌編集者)
こうした声にもかかわらず、多くの歌手やバンドが海外進出を目指すのは、それだけ国内市場に閉塞感が広がっているからでもある。彼らの海外進出が、宇多田ヒカルやX JAPANのような苦い結末に終わらぬように祈りたい。
(文=柴田勇気)
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