「マイケルほど伸びず……」ホイットニー・ヒューストン”追悼商法”空振りで関係者はガックリ
2月11日に急逝したホイットニー・ヒューストンのアルバムが、全米チャート上位に名を連ねている。
ベストアルバムが2位になったほか、主演映画のサントラ『ボディガード』やデビュー作『そよ風の贈りもの』もトップ10にランクイン。日本でもオリコン週間ランキングでベストアルバムが10位に顔を出しており、今後は関連作品が次々に発売されそうな勢いだが、実のところ「思ったほどのブームにならなかった」と肩を落とす業者も少なくない。
「2009年にマイケル・ジャクソンが亡くなったときに商品がバカ売れしたので、同じような現象があるかと思ったんですが……」
肩を落としたのは都内CDチェーン店の店長だ。
「死の直後からホイットニーのコーナーを作ってCDやDVDを並べましたが、セールスはマイケルほど伸びませんでした。あの『ボディガード』のヒットも20年前のこと、特に若い世代の客はコーナー前を通り過ぎていて、彼女の名前もよく知らないようでした」(店長)
また、マイケルが亡くなったときに関連グッズで約1億円を売り上げたという新宿の海賊盤業者もお手上げだと話す。
「マイケルのときは”ブートレグ”と呼ばれる海賊盤ライブアルバムがネットオークションで値が上がったので、急きょ豪華なパッケージで飾った6枚組の商品を作ったところ高値で何千個も売れた。今回も調子に乗ってホイットニーのDVD5枚組を制作したが、大量に売れ残っている状態で大赤字。日本でのホイットニー人気の低さに驚いた」
ホイットニーは1992年に『ボディガード』主題歌のヒットで世界的に名を馳せたが、以降は同年に結婚した歌手のボビー・ブラウンとのケンカ騒動など私生活でのスキャンダルが増え始め、2000年に大麻所持で拘束された際は別人のようにやつれた姿が話題になった。その後はリハビリ生活を続けたが06年に離婚。一昨年のワールドツアーでは高音も出ず息切れを起こすなどの絶不調にファン離れも止まらず、昨年からは再び薬物依存の治療を受けていた。結果、経済的にも困窮し、電話代すら友人に借りるなど破産寸前であったことが1月に報じられたばかりだった。
「ここ10年は私生活のゴシップばかりが目立っていましたし、マイケルと比べると日本で知られている代表曲も少ないので、これ以上の追悼ブームが起こることはなさそう」(音楽雑誌編集者)
ただ、それでも大物歌手の48歳での死は衝撃で、深い付き合いがあった音楽プロデューサーのクライヴ・デイヴィスはホイットニーの伝記映画の企画を進めている。こちらはホイットニー役に複数の大物歌手の名が挙がっており、注目を集めているが……。
(文=鈴木雅久)
合掌。
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