“まとめマイスター”で信頼性を認定!? ますます進化する「Togetter」の気になる今後
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Twitterのつぶやきをまとめるサービス「Togetter」(トゥギャッター)。2009年9月のサービス開始以降、Twitterの広がりとともに発展してきた同サービスは、昨年3月11日に発生した東日本大震災時にも活躍。現在では月間2, 500万PVを誇るサービスに成長した。
今月25日に開催されたリアルイベント「つぶやきメディアサミット2012」では、2011年に注目されたまとめを「メディア」「エンターテインメント」「ドキュメンタリー」「コラムニスト」の4部門で選出。年間大賞である「ゴールデントゥギャり大賞」には、有名人に自身のメルマガの宣伝をお願いするという「公開ステマ」をまとめた「【これはひどい】Twitterで繰り広げられるステマの決定的な証拠」が選ばれ、ツイートした黒田勇樹氏にトロフィーが渡された。
また、東京都の表現規制について子どもの視点で意見をツイートした『ピラメキーノ』(テレビ東京系)出演子役のはるかぜちゃんこと春名風花さんも来場し、おおいに盛り上がった(http://togetter.com/li/79397)。
同イベントでは、「Togetter」の新機能お披露目会も行われ、グループ公開や特定ユーザーのブロック、そして優れたまとめ技術を持つユーザーを対象にした「まとめマイスター」制度などが発表された。
ますます進化する「Togetter」。今後の展開について、開発者・代表の吉田俊明氏にお話を伺った。
――「Togetter」の誕生から2年が経過し、Twitterユーザーの多くが利用するサービスに成長しました。
吉田俊明氏(以下、吉俊) やはり、Twitterのユーザーが増え、一般化しているということが大きいですね。昨年の東日本大震災ではPVが約1.5倍伸びましたが、これもTwitterの成長に伴っての数字だと認識しています。
――今回ノミネートされたまとめには、個人が遭遇した面白い事件もありますね。
吉俊 電車に忘れたリュックを、偶然同じ電車に乗り合わせた人が見つける「ツイッタースゲェー」などもそうですし、まとめを使って就職した人もいらっしゃいます。個人が上手に使ってくれているサービスだということがもっと広く認知されてほしいですね。特に企業の方々には、「Togetter」でのPRも想像以上に効果的だとアピールしていきたいと考えています。
――2010年に宮崎県で起きた口蹄疫のまとめで、Togetterの「メディア」としての価値に気付かれたとのことですが。
吉俊 当時の東国原英夫宮崎県知事や農家の方などが直接Twitterで情報を発信していたため、既存のメディアではなかなか取り上げられない情報がTogetterにまとめられました。そのときに、単に便利なツールとしてだけでなく、ひとつのメディアとしての役割を担っているのではないかと感じました。
――その一方で「メディア」となると、”信頼性の担保”という問題が出てくると思います。
吉俊 基本的にはそれぞれのコンテンツはまとめた人の判断に拠ることになります。確かに全幅の信頼を置くには心もとないかもしれませんが、かといって無視することもできない。そういった立ち位置が望ましいかな、と考えています。現在では、既存のメディアも2ちゃんねるやTwitterでの情報をソースにしていますし。ただ個人的には、ユーザーには自由にサービスを使ってもらいたいという思いが強いですね。
――「Togetter」と似たようなサービスとして、「NARVERまとめ」や「Yahoo!くくる」といったサービスも登場しています。差異化をどうお考えでしょうか。
吉俊 「Togetter」はあくまでTwitterのまとめです。それに対し、『NARVERまとめ』などはお役立ち情報が人気を集めている印象がありますね。TIPS(ソフトウエアやハードウエアをうまく使うためのコツや小技のこと)はこれまでもありましたが、「Togetter」は個人がプライベートで自由に使っていけるサービスにしたいと考えています。そして、面白いまとめがあればピックアップして、よりパブリックな情報として引き上げていく、というのが理想的ですね。
――今回で2回目となるリアルイベントですが、どういった経緯で始まったんですか?
吉俊 まとめた人やまとめられた人に、私が実際に会って話をしてみたい、というのが最大の動機です(笑)。今回で2回目ですが、できれば毎月開催したいですね。私たち運営側とユーザーの皆様との交流をすることによって、より身近なサービスに感じてもらいたいと思っています。
――新機能も発表されて、「Togetter」を利用するネットメディアも増えています。今後の展開について教えてください。
吉俊 新機能は、ユーザーからのリクエストが多かったので、よりユーザーにとって使いやすいサービスになったのではないかな、と思います。一方で、メディアとしての存在感も大きくなってきているので、「Togetter」から「Yahoo!トピックス」に記事を配信したいですね(笑)。放射線と放射能についてまとめた「うんち・おならで例える原発解説」はマンガ化され、YouTubeに動画が上がり、英語版や中国語版ができるまで広がっていきました。これからもそういった有益な情報の発信元になっていきたいと考えています。
(取材・文=ふじいりょう)
どんどん進化中。
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