相棒との友情はこれで終わり!? ジュード・ロウ『シャーロック・ホームズ』新作をPR
#映画
3月10日から全国公開される映画『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』のPRのため、ホームズの相棒・ワトソン医師役のジュード・ロウが来日。2月15日、東京・新宿のパークハイアット東京にて記者会見を行った。
『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』は2009年に大ヒットした『シャーロック・ホームズ』に続くシリーズ第2弾。前作では、モダンで斬新な解釈を施したホームズ像が人気を博した。
前作同様、ガイ・リッチーが監督として指揮を執り、シャーロック・ホームズをロバート・ダウニーJr.が、そしてホームズには欠かせない相棒のジョン・ワトソン医師をジュード・ロウが熱演する。
物語は古きよきロンドンで始まる。新聞の号外は連続爆破事件をアナーキストの仕業と断じて騒ぎ立てるが、シャーロック・ホームズの見立ては違った。事件にかかわっていると思しきアイリーン・アドラー(レイチェル・マクアダムス)を追ううち、ホームズは天才数学者のジェームズ・モリアーティ教授(ジャレッド・ハリス)の存在にたどり着く。初めはこの冒険への参加をためらっていたワトソンも、新婚旅行中の妻に被害が及ぶと、火の粉を払うためにモリアーティ追及を決意する──。
パイプを捨てて肉体派のイメージを確立したホームズ同様、ワトソンも新しいイメージを確立することに成功している。
「いかにして原作に忠実な人物を描くかはこの作品にかかわる全員が考えていたことだが、特にワトソンはそうだった。昔のテレビシリーズでできあがった、のろまで愚かで歳をとっているという固定概念を覆す英雄的な人物になったと思う」
「まず、ワトソンは愚か者ではなく、観客と同じ気持ちでいないといけない。ワトソンがバカだからホームズが引き立つのかといえば、そんなことはないと思う。それに観客は賢い。ホームズも頭が悪い人間を旅のお供に選びはしないだろう。また、ワトソンは肉体的にも優れている。勲章をもらった軍人であるし、大学時代はラグビー選手だった。太った愚か者のように描くのはもったいないと思った」
ワトソンといえば、どの映像化作品でもあのスーツが定番となっているが、ジュード・ロウはこれがたいそうお気に入りのようだ。
「伝統的にしようと、ハリスツイードのスリーピーススーツを着ている。普段はあまり着ていないが、すっかりツイードのファンになってしまった。伸縮性があり、着ているうちに体にフィットする。周りの人間は僕を羨んでいたね。高いカラー(襟)が少々不快なことだけが難点だったけど」
相棒のホームズを演じるロバート・ダウニーJr.の妻スーザン・ダウニーが出産したことに話が及ぶと、「知らなかった。(質問者に)あなたに電話して僕には連絡をくれなかったのか? 彼との友情はこれで終わり(笑)。でもいい知らせだ」とおどけるひと幕も。
そのロバート・ダウニーJr.とは前作で共演したときから気が合ったという。
「仕事をするにつれどんどん仲良くなり、前作の終わりから引き続きいい状態で始めることができた。前回できなかったアイデアもたくさん持ち込んで。彼との友情は複雑なものだ。 まあ、どんな友情でもそうだと思う」
ホームズとワトソンのセリフは、撮影台本と、原作からいい会話を集めた”バイブル”のエッセンスを生かして現場で構成されるという。
そうした制作過程を仕切るガイ・リッチー監督は民主的なリーダーに映っているようだ。
「ガイは常に頼れる存在なんだ。現場はのどかでハッピー。みんなで共同作業をするという信念の持ち主で、周りも彼のリーダーシップについていく。森の中で追われるシーンでは、ガイにイメージを説明してもらったが、よくわからなかった。言われたとおりに走ったのだけれど、実際に仕上がった映像を見てびっくりしたね。彼が初めからそんなことを思い描いていたなんて!」
スローモーションとVFXによって生み出されるアクションシーンの迫力は、旧来のシャーロック・ホームズ映像にはなかったもの。
『シャドウ ゲーム』はすでに全世界で公開され、興行収入は4億ドルを超えている。「日本での成績次第では3作目もある」とにおわせ、会見を終えた。
(文=後藤勝)
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