AKB48期待の新人・光宗薫は”アイドル界のジャンヌ・ダルク”になれるのか?
──先日、秋元康総合プロデューサーがGoogle+でアジアツアーをほのめかし、姉妹グループや派生ユニットを含む、怒濤のリリースラッシュも好調なAKBグループ。しかし、メディアに露出するのは相変わらず同じメンバーばかり。現在、グループ全体に所属する女の子が280人を越えるというAKBには、まだ隠された逸材がいるのではないだろうか──。ここでは、現在のAKBにさらなる革命を起こすであろうメンバーを紹介したい。
常設劇場を持って毎日公演を行うというシステムや、スタジアムクラスの大会場で定期的に行われる握手会、Google+でのファンとの本格交流など、アイドル界に新しい風を吹き込み続けているAKB48(以下、AKB)。しかし、そんなAKBも、テレビや雑誌など、メディアに多く露出し、顔がわかるのはごく一部ではないだろうか。そこで今回、さまざまな立ち位置でAKBを愛し、見つめ続けているみなさんにお集まりいただき、メディア側からの視点と、有名古参ファンとして、AKBを知り尽くした視点から、AKBに、そしてアイドルシーンに革命をもたらした、本当の革命家”神7″を選出してもらうとしよう。
[座談会参加者]
久田将義…ミリオン出版編集局次長。元「実話ナックルズ」編集長。ファン歴2年。
本城零次…AKB評論家。『泣けるAKB48メンバーヒストリー』(サイゾー刊)著者。
お兄ちゅん…AKB初日公演を観た”伝説の7人”として知られるひとり。最古参ファン。
◎◎みすと。…ファンブログ「放課後は、いつもPARTY☆」管理人。ファン歴6年。
──まず最初に、みなさんの”推しメン”を教えてください。
◎◎みすと。(以下、み) イチ推しは、河西智美です!
久田将義(以下、久) まゆゆ(渡辺麻友)とゆきりん(柏木由紀)推しですね。
本城零次(以下、本) 僕は全メンバーを平等に観るのが使命で……。
お兄ちゅん(以下、お) 板野(友美)です。ともちんて、人気もあるんですけど、アンチも多いんですよ。あの娘はヒールだから。それでも輝いてるから応援してしまうっていうか……ちっちゃい時から観てますからね(笑)。
──確かに、板野さんは、モデル活動やソロ活動など、個人で目立つ活動が多いせいか、誹謗中傷を浴びることも多々ありますよね。
お 僕からしたら、言いたいやつには言わせとけ、と思うんですけど……。
本 でも板野さんは自分のスタイルを守って、周りから嫌われる勇気を持っている人ですよ。どんなことを言われようともパフォーマンスには自信を持って、やるべきことはちゃんとやっている。
お そう言ってもらえると、救われます。
み それに、ともちんは初期の頃、唯一茶髪を許されたメンバーですから。秋元(康)先生とも仲がいいみたいで、以前エイプリルフールに「私結婚します」ってメールしたらしいですよ(笑)。驚いた先生から、速攻で電話がかかってきたって(『新堂本兄弟』(フジテレビ)で)言ってました。
──その信頼関係から、ギャル風のスタイルも許されたと。ちなみにお兄ちゅんさんは、AKB48劇場がオープンした2005年12月8日の初日公演から通われていらっしゃる、ファンの中で”伝説の7人”と呼ばれる観客のうちのおひとりです。
本 初日を観たキッカケって、なんだったんですか?
お もともと、秋元さんが何かやるらしいという話は噂で聞いていたんですが、たまたまスポーツ新聞を読んでいた時に、ゲネプロの記事が載っていて。それで、「ああ、今日オープンなんだ。行かなきゃ後悔するな」って思ったんです。
──それで行ってみたら、観客が7人だけだったと。
お ただ、その日は関係者が多かったので……人自体はけっこういたんですけどね。
み そうそう、初日は木曜日だったので、仕事帰りにスーツで来てる人も多かったみたいで。ファンでも関係者と間違えられて、終演後の打ち上げに声をかけられたって人もいたらしいですよ。
──お兄ちゅんさんは、初日から板野さんを?
お いや、初日に目についたのは、あっちゃん(前田敦子)とたかみな(高橋みなみ)と宇佐美(友紀)【註1】だったんですよ。あとは、その他大勢。当時は歌もダンスもそんなにうまくなかったですし、正直……カワイイとも思ってなかったですね。
み フリもよく間違えてたし(笑)。
お でもなんか、「俺たちが求めてたのはこれだ!」って気がしたよね。それで毎日公演を観ていくうちに、ともちんの一生懸命さに惹かれていったわけなんですけど。
──そんな彼女たちの歴史をゼロから観てきた視点から、「この娘ヤバイんじゃないか?」というメンバーっていましたか? ある種革命的だった、というか。
み 小林香菜とか? あの娘は、絶対OLとかできないですよ。
お あー確かに(笑)。
──「国・数・理・社できません」がキャッチフレーズの、超おバカキャラですよね。
み そういえば、以前小林は、河西と一緒に行った自分で揚げて食べる串揚げ屋で、「ブクブクいってるから」と、熱い油に烏龍茶を入れるっていう暴挙に出たらしいですからね。
──危険すぎますね(笑)。
み あと、チームK時代に、公演中のMCで誘拐の話かなんかになって「何それ?北朝鮮?」とか言いだしたこともあったんですよ。
本 それは完全に、アウトですね(笑)。
み 「生放送じゃ使えないだろ、こいつ!」って苦笑しながら観てました。でもそんな彼女が、今じゃ東京タワーのイメージキャラクターをやって、公開ラジオ番組も持ってますから。彼女はまさに、 AKBに救われた娘なんじゃないでしょうか。
■ゴルフで差をつける山内 カムバックした菊地
──久田さんは、編集者という立場から、比較的内側から観る機会が多いですよね。「実話ナックルズ」という、かなりハードボイルドな雑誌を編集されていたお姿からは、AKBが結びつかないのですが……ハマるきっかけはなんだったんですか?
久 実は、10年の第二回総選挙までは興味なかったんですよ。だけど関係者に誘われて、「試しに行ってみるか」とチームB公演を観に行って。最初は、客席と舞台のメンバーがあまりに近いから、キャバクラっぽいなと感じたんですが(笑)。
──でもそこで、ゆきりんとまゆゆに虜にされてしまったと。
久 もともと僕は、”次世代のスター”が好きなんですよ。それと、彼女たちのチーム曲「チームB推し」がよかった。この曲って、シングル化はされてないけどファンの間では絶大に支持されている、BOØWYの「CLOUDY HEART」的な曲だと思うんです。さらに、「どんなに売れてもここで歌っています」という歌詞も、AKBを象徴していますし。
──”愛され系・末っ子チーム”と呼ばれるチームB推しとは意外です。ほかのチームもご覧に?
久 ほかもいろいろ観させていただきました。そうそう、僕はライブで輝いている娘に目がいくんですが、鳥肌が立ったのは、リクエストアワー【註2】で2年連続1位を獲った「ヘビーローテーション」での、大島優子のパフォーマンスでした。10年の第三回総選挙でのコメントも挑戦的で、当時22歳とは思えないくらい、本当にしっかりしている。革命的、というテーマからはそれますけど、「これがプロだな」と思わされました。
──ちなみに、先ほど次世代というお話が出ましたが、みなさんも次世代メンバーには注目してますか?
久 山内鈴蘭が推されてますけど、彼女ってどうなんですか?
本 まさに次世代ですね。(10年に発足した新チームである)チーム4の爆弾娘ですから。
み 彼女は特技のゴルフでも注目されてます。10年11月の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で、ドライバーで260ヤードを飛ばしたんですよ。それで注目を集めて、『わいわいガチGOLF』(テレビ東京)というゴルフ番組に呼ばれ、古閑美保らとも共演しました。AKB全体でも、単独で指名されて仕事がくるメンバーがどれだけいるか? という話で、それが今できるのは、鈴蘭なんですよ。しかも、『わいわい~』には彼女のおかげで、阿部マリア、市川美織、中村麻里子も出演できた。さらに、ゴルフで業界のおじさま方からの注目も集まりますし、ジュニアの頃からずっとやってきたってことは、それだけおじさまの相手もうまいでしょう。
本 彼女は握手会の対応もよく、モバメ【註3】に上げる写真もかわいくて、”ヲタ釣り”名人ですからね。
み その上、「AKBに入って、初めて日本で正月を過ごした」とか言ってて。すごいセレブなんです。
本 アイドルヲタク上がりの指原莉乃然り、”規格外”は注目されますよ。
──ほかに、気になる次世代メンバーはいますか?
久 あ、13期研究生の光宗薫はどうなんですか?
本 現在の選抜の序列を崩そうとしてる人ですよね。AKBに入る前の彼女のブログを見たら、オーディションの1カ月くらい前から、韓国にダンス修業に行ったりもしてて。ほかの娘と、少し違うというか。
──ただ、そのモデル然とした風貌からか、10年12月に行われた「AKB紅白歌合戦」で13期唯一の公演デビューを果たしたものの、ファンの評価は二分した印象です。
み 確かに、アイドルっぽくはないよね。篠田麻里子的というか。
本 でも、デビュー前にはメイド喫茶で働いていたこともあり、ヲタ釣りもちゃんとできるんですよ。既存のメンバーも釣られてますからね。
み まゆゆとか、(そのイケメンキャラに)「ハァハァ」しちゃってますもんね(笑)。
──光宗薫は今までの”AKBの人気メンバー像”を変えてしまう可能性もあると。
み 可能性はあると思う。あと、AKBを変えたという意味では、菊地あやかちゃんも革命的だったかもしれない。彼女によって、”辞めても戻ってこれるんだ”っていうのが、証明されましたよね
──菊地さんは08年に「自覚に欠けた軽率な行為」を取ったために、解雇されました。それで、7期生オーディションを受け、「彩香」から「あやか」に名前を変えて、研究生から復活したメンバーです。
み そして『マジすか学園2』(テレビ東京)では、役名が「カムバック」ですからね。
お 最近ファンになった人は、なんでカムバックか知らないで握手会で聞いたりするらしいですよ。本人もあっけらかんと「一度辞めて戻ってきたからです」と答えているみたいですが(笑)。
──ところでAKB本体以外に気になるメンバーはいます?
み 僕はSKE48(以下、SKE)の加藤るみちゃんかな。たまたま2年くらい前に、当時まだ研究生で、アンダーとして出ていたるみちゃんを観て、パフォーマンスが素晴らしくて。
──SKEの番組『イッテ(は~と)恋48』(TVK)でも注目されましたよね。
み そう! 蛇と格闘したり、スタッフに文句言ったり……「大人としてそんなことしていいんですか!(怒)」って(笑)。悪目立ちはしてほしくないけど、先生がいうところの、”刺さる”ことがないとね……。
本 僕は、同じくSKEで、チームKIIの高柳明音さんですね。オリジナル公演の開始予定を1年以上待たされたチームKII。そのリーダーとして、第三回総選挙のステージから、「公演をやらせてください!」と秋元先生に直訴するとは……まさに革命家ですよね。
──そういえば、久田さんは先日メンバーと共演されましたよね。
久 ええ。某番組に出演して。その時に一緒に出演していた芸能レポーターたちが、収録中、「松田聖子の時はどうこう」とかずっとくだらないことばかりしゃべっていて、現場が白けてたんです。それで、放送ではカットされてしまったんですけど、その高柳が「そういう仕事をやってて面白いんですか?」みたいなことを言ったんですね。現場の嫌な空気を、彼女は代弁してくれたんですよ。あれには溜飲が下がりました。
み さすが、代弁者ですね。
──じゃあ、AKBにとって、一番の革命家とは誰でしょう?
本 僕が推したいのは、チームAの大家志津香ですね。大家は07年に加入した同期の 4期生や、後輩の5期がどんどん昇格していく中、ひとり研究生から抜けられなかった娘なんです。それでも腐らず、後から入ってくる後輩たちにお辞儀の仕方から教えた。まさに「AKB48を研究し尽くした人」なんですよね。09年にようやくチームAに昇格し、最近はバラエティやコントでも笑いをさらっている。それは、握手会や公演のMCで培われた賜物だと思います。彼女は”AKBだから”ここまでブレイクできたという、(AKBを)象徴する人なんです。
久 なるほどね。ただ、”革命”という意味で、本当に”変えた”となると、難しいですよね。モーニング娘。に後藤真希が入って流れが変わったのが”革命”じゃないですか。
お そういう意味では、「大声ダイヤモンド」で突如センターに現れたSKEの松井珠理奈は、ゴマキ的な存在に近かったのかな。
久 でも関係者に聞くと「いつも僕らはゴマキを探しているんですけど、いないんですよね」と。だからまだ、本当のゴマキは現れていないってことでは? もしかすると、それが光宗になるのかもしれないですけどね。
お 可能性はありますよね。ただ、彼女も使い方次第かな……。そもそもAKBというのは、このグループができたこと自体が革命なのかもしれないですね。ほかのアイドルなら大きな革命とされるような出来事が、AKBでは普通のことのように起きすぎてるのかもしれないですから。
(文/エドヤボルシチ)
【註1】宇佐美友紀(うさみ・ゆき)。AKB48劇場グランドオープン時に在籍したオリジナルメンバー。またAKB最初の卒業者でもある。
【註2】「リクエストアワーセットリストベスト100 2012」。AKBグループの全楽曲でファンによる人気投票を行う。
【註3】携帯専用に、AKBのメンバーから有料配信されるメール。各メンバーごとに登録が必要。
※TOP写真モデル
L.A.(Love AKB48)
“世界最速でAKBの新曲のフリをコピーする”という特技を持つリーダーのしず☆を中心に、AKB48が大好きな女の子たちが集まって結成された完全コピーユニット。ニコニコ動画の「踊ってみた」、YouTube等で人気を博す。現在は秋葉原のスタジオペンタゴンで定期公演を月2回のペースで行っており、毎回人気投票によってセンターを決めるなど、勢力的に活動中。3月25日(日)には、コピーユニットを終結させる主催ライブ開催決定。随時メンバー募集中!
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