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暴力とエロスとフェティシズムが炸裂『ドラゴン・タトゥーの女』

karimain.jpg『ドラゴン・タトゥーの女』

 今週紹介する映画は、スリリングな展開に思わず引き込まれて時が経つのを忘れてしまう、ハリウッド傑作サスペンスの2作品だ。

 2月10日に封切られる『ドラゴン・タトゥーの女』は、スウェーデン発の世界的ベストセラー・ミステリーを映画化した『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(2009)のハリウッドリメイク。オピニオン誌『ミレニアム』のジャーナリスト・ミカエルは、富豪一族の長・ヘンリックから40年前に少女ハリエットが失踪した事件の真相究明を依頼される。調査に乗り出したミカエルは、パンクファッションの下にドラゴンのタトゥーを忍ばせた天才女性ハッカーのリスベットと共に、一族の巨大な闇に迫っていく。

 監督は『セブン』(1995)『ファイト・クラブ』(99)のデビッド・フィンチャー。ミカエル役のダニエル・クレイグは期待通りの安定した演技で存在感を示すが、さらに出色なのが、『ソーシャル・ネットワーク』(10)に続きフィンチャー作品のヒロインを演じたルーニー・マーラ。前作の清楚な美人女子大生役から一転、モヒカンに眉脱色に鼻ピアスという超過激な変身ぶりに加え、レイプやセックスの場面ではフルヌードも披露。まさに渾身の演技は、先月発表された第84回アカデミー賞主演女優部門ノミネートも当然。本作はさらに撮影賞、編集賞、録音賞、音響編集賞と計5部門にノミネートされている。作品冒頭では、音楽ビデオ畑出身のフィンチャー監督らしい、暴力・エロス・フェティシズムのイメージが炸裂する官能的なタイトルロールにもぜひ注目してほしい。

 続いては、2月17日公開の近未来SFアクションサスペンス『TIME タイム』。科学技術の進歩によりすべての人間の成長が25歳で止まり、その先は腕に埋め込まれた体内時計が示す余命時間だけ生きられる時代。時間が唯一の”通貨”になり、貧困層は余命が限られる一方、富裕層はほぼ永遠に 生きながらえる。貧困街で暮らす青年ウィル(ジャスティン・ティンバーレイク)は、ある裕福な男を助けたことで100年の時間を譲り受け、富裕層の居住区に潜入。大富豪の娘シルビア(アマンダ・セイフライド)と出会い、時間監視局員に追跡されながらも、時間に支配された世界に立ち向かおうとする。

 『ガタカ』(97)『トゥルーマン・ショー』(98)のアンドリュー・ニコル監督が、SF的な設定とサスペンスフルな筋立てに哲学的なテーマを盛り込む独特の作風を今回も発揮。ことわざの「時は金なり」を文字通りに受け止めて映像化したらこうなった、というだけでなく、「限られた時間の人生にはどんな意義があるのだろう」「そもそもお金ってなんだろう。通貨ってなんだろう」といった問いを観客に投げかける。とはいえ、難しいことを考えなくても、気軽にアクションサスペンスを楽しむのももちろん自由。キリアン・マーフィ、オリビア・ワイルドといった助演陣もそれぞれ魅力的で、演技のアンサンブルも合わせて味わいたい。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『ドラゴン・タトゥーの女』作品情報
<http://eiga.com/movie/56065/>

『TIME タイム』作品情報
<http://eiga.com/movie/57415/>

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上

期待大。

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最終更新:2013/09/09 16:29
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