「誰もやってない設定のコントをやる」ラバーガール7度目の単独ライブへ
#お笑い #インタビュー #ラバーガール
大水演じる”少し気持ち悪い”キャラから飛び出すボケに、飛永が少し呆れた顔で冷静にツッコむ。大水はそれに動じることなくボケ続け、飛永は声を荒げるわけでもなくまたツッコむ……。
そんな独特な空気がクセになるのだろうか。毎年行われる単独ライブのリピート率の高さは、若手お笑い界随一といってもいいかもしれない。そのくらい、一度つかんだファンの心を離さないのがラバーガールのコントなのだ。
この日は、7回目の単独ライブ『ジェイコブ』(2月25日、26日)のネタ作りの真っ最中。これまで「表情を表に出さない」「冷静沈着」などという言葉をイヤというほど浴びてきたであろう2人だが、取材中「それはきっとこの先も一生言われ続けるんだろうなあ」と思った。なぜなら大水の風俗の話題でも、飛永が好きなアイドルの話題でも、実に優しい口調で淡々と話してくれたからである……。
――前回の単独ライブ『エマ』に続き、今回が『ジェイコブ』と外国人の名前が続いてますね。
大水洋介(以下、大水) 『ジェイコブ』というタイトルは前回の単独ライブの時から決めてたんです。『エマ』では女性のマネキンを使ったネタを何個かやったので、今回はその男バージョンということで、ライブを2個セットみたいな感じにしようかなあと。
――今、まさにネタ作り中とのことですが、順調に進んでますか?
飛永翼(以下、飛永) 半分くらいできましたね。あと、だいたいできてるけどオチだけ決まってないネタもあったり。うちらオチを考えるの苦手なんですよ……。
大水 『爆笑オンエアバトル』(NHK)のジャッジペーパーとかでも、オチが気に入らないってすごい書かれるんです。見てる人はきれいに終わった方がうれしいんだろうなあとは思うんですけど、ちょうどいいオチがなかなか見つからなくて。
飛永 漫才ってズルいよね。ずっと同じテンポでボケてても、「もういいよ」って言ったら終われるっていう。コントの場合はいろんな設定があるから、「もういいよ」とか「いい加減にしろ」につながらないこともあるし。
大水 コントでも「もういいよ」に変わるものを作ればいいのかなあ。
飛永 「もう寝ろよ」とか?
大水 あ、いいね(笑)。「もう寝ろよ」は何の設定でもいけそう。女役だったら「もう寝なさいよ」って言い換えればいいわけでしょ?
――(笑)。今回の単独ライブの特徴は?
大水 おそらく誰もやったことのない設定のネタがあります。まだ完成してないからどうなるか分からないですけど、うまいこといったら面白いと思いますよ。
飛永 前回はお芝居っぽいのが多かったので、今年はもうちょっとお笑いっぽく分かりやすいものをやろうかなと。ポップなネタが多いと思います。
――昨年は舞台『スマートモテリーマン講座』への出演や、映画『ぱいかじ南海作戦』(今夏公開)の撮影があったりと、俳優としての活動も目立ちましたが、お2人にとってどんな年でしたか?
大水 人の書いたものをやるというのはプラスになりましたね。「自分ってこういうのもできるんだ」っていうのが分かりましたし。
飛永 ネタ番組が少ないので、お笑い的にはフラストレーションの溜まる感じはありましたけど、そんな中でも大水くんが『人志松本の○○な話』(フジテレビ系)とかにちょいちょい出たりしていたので、広がりは見せてるのかなあと。
――最近、大水さんに「風俗好き」のイメージがついたのも、松本人志さんのテレビでの発言からですよね。
大水 『○○な話』の打ち上げに出させてもらった時に、松本さんに「お前、風俗とか行かなそうだなあ」って言われたんで、「いやいや、行きます」って言って、30分くらい自分の性癖とかを語ったんです。そしたらそれを松本さんが覚えていてくれて、一昨年の『キングオブコント』でイジッてくれたんですけど、そこで一度触れられただけなのに反響がでかくて。街を歩くと男性に「僕も風俗好きなんですけど、おすすめないですか?」ってすげえ聞かれるんですよ。僕もそこまで詳しいわけじゃないから、ちょっと困ってるんです(笑)。
――こんな話の後になんですが、お2人は子ども番組『We Can☆47』(BSフジ)に長い間レギュラー出演されてますよね。子どものファンは増えましたか?
大水 僕、3カ月前にディズニーシーに行った時、「あ! ラバーガールだー!」って小学生が5~6人が集まってきて、なぜか皆からチンコを触られました。
飛永 それ『We Can』見てるんじゃなくて、『キングオブコント』の松本さんのくだりを見たんじゃない(笑)?
大水 あ、そうか。そうかもしんない。
――(笑)。ところで昨年末に行われた『エマ』のDVD発売イベント『大水3minutes』は、ファンが3分間、大水さんと好きな時間を過ごせるというユニークな内容だったそうですね。
飛永 カーテンで囲われた一畳くらいのスペースに大水くんがいて、お客さんが一人ずつ入るんです。「一発ギャグ」「モノマネ」「腕相撲」「ポッキーを食べさせる」など、できることのリストが一応あるんですけど、それ以外でも大水くんがいいって言えば時間内は何をしてもいいというルールで。
――2人きりだなんて、ファンはうれしいでしょうね。
飛永 たまにカーテンの中から女性の「あぁ、すごい……」って声が聞こえてきたので、僕は何をやってるんだろうって謎だったんですけど(笑)。
大水 それは腕相撲ですよ。僕が勝つと女性のお客さんが「あぁ、すごい……」って言うんです。
――最長で10分間も大水さんと2人の時間を過ごしたお客さんがいたと聞きましたが、1人3分じゃないんですか?
飛永 最初に、お客さん全員に星が3つ貼ってあるカードを配りまして。星1つが1ミニッツで、物販を買ったりすることで星が増やせるシステムにしたんです。
――面白いシステムですね。
飛永 これは、私立恵比寿中学のイベントで配られる「エビ中券」を参考にさせていただきました。ほかにも最近は、DVDを手売りで買っていただいたお客様に、サインと写真と大水くんのハグが付いてくるっていうのをやっています。売り上げを伸ばすっていうのはそれ自体も宣伝につながりますし、何よりイベントは楽しいですよね。
――私立恵比寿中学って、飛永さんがハマッてるアイドルグループですよね。大水さんは、飛永さんがアイドルのシステムをさらっとお笑い界に取り入れようとしていることについて、どう思ってるんですか?
大水 結局、みんなが幸せになるじゃないですか。まあ、何枚も買ってくださるお客様もいるので申し訳ない気持ちにはなりますけど、無理のない範囲でやれればいいのかなあと。
飛永 エビ中の『もっと走れっ!!』のCDはうちに何枚もありますから、ファンの気持ちはすごい分かります。
大水 エビ中は何がいいの? AKB48でいいんじゃないの?
飛永 「いいんじゃないの?」って何(笑)? エビ中はメンバーが9人いるんだけど、それぞれのキャラクターがものすごく立ってるんですよ。僕の推しは”エビ中のハイテンションガール”って言われる真山りかちゃんなんだけど。ほかにも”ぁぃぁぃ”っていう目立つ子がいたり。
大水 あいあい? 猿?
飛永 猿じゃない(笑)。人間の女の子。
大水 エッチな目では見てないの?
飛永 見るかいっ! みんな中学生だし。
大水 でもさ、10年後くらいにキレイになった姿を想像して、今から目を付けるみたいな。
飛永 それはないよ。ただ「半年前より大人っぽくなったな」っていうような感動はあるよ。「なっちゃん、最近キレイになったなあ」とか。
大水 なっちゃん? 誰? う~ん、俺は高校球児を見てた方がいいかなぁ(大水は高校野球ファン)。
飛永 そしたら男版のEBiDAN(恵比寿学園男子部)っていうのがあるよ。
大水 いや、それは……(笑)。
――大水さんには届きませんでしたね(笑)。では最後に、単独ライブ『ジェイコブ』について読者へメッセージを!
大水 今、ネタが半分くらいできてるんですけど、今のところ超面白いです!
飛永 今回は、今まで以上に全部出し切ってる感じがあるので、僕らの集大成に近いかもしれないです。エビ中に負けないようなライブになるようにネタ作り頑張ってますので、ぜひ見に来てください。
(取材・文=林タモツ)
●ラバーガール
飛永翼(左)と大水洋介(右)からなるお笑いコンビ。2001年結成。2010年『キングオブコント』決勝5位。『We Can☆47』(BSフジ)出演中。
・ラバーガール第7回単独ライブ「ジェイコブ」
日時:2012年
2月25日(土)18時30分開場・19時開演
2月26日(日)13時30分開場・14時開演/17時30分開場・18時開演
場所:紀伊國屋ホール
詳細:<http://www.p-jinriki.com/pc/news/event/1880.php>
こっちもね。
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