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「起こるべくして起こった?」無関係の母子写真を……共同通信社が放った大誤報の裏側

 共同通信社といえば、全国47都道府県の県庁所在地と主要都市、および海外の主要都市に自社の記者を配置し、国内外のニュース・写真・記事関連データを全国の新聞・NHKを含むテレビ各局・ラジオ局に配信する非営利の通信社としてメディア関係者の間で知られている。

「非営利なだけに、ニュース提供を受ける加盟社が出資して運営され、特に北海道新聞、中日新聞、西日本新聞の出資比率が高い。加盟する目的は自社の記者がカバーできない取材内容を紙面に載せるためで、特に地方紙・スポーツ紙・夕刊紙・地方局には重宝がられ、共同の記事の読者・視聴者は数千万人に及ぶだろう」(全国紙社会部記者)

 ただ、その反面、「もし、共同が誤報を配信した場合、必然的にそれが事実として信じられてしまう」(同)という状況だが、その共同通信社が、世間を騒がせている事件でとんでもない大誤報を放ってしまった。

 その事件とは、昨年9月に発生した大分県日出(ひじ)町のスーパーに駐められた車から江本琴音ちゃん(当時2歳)が行方不明になった事件。母親の江本優子容疑者が琴音ちゃんの遺体を遺棄したことを供述。供述通り遺体が見つかり、5日夜に死体遺棄容疑で逮捕されたが、なんと、同社が優子容疑者と琴音ちゃんとして配信した写真が、2人とも別人で、加盟社がそのままの本人の写真として配信してしまったのだ。

「逮捕状をとったニュースが5日の午後9時ごろに共同で流れ、午後10時に逮捕のニュースが流れた。最初に送られて来た写真は琴音ちゃんのみの写真で、それを使おうとしたが、同10時ごろに問題の母子の写真が来た。当然、母子の写真を載せたほうが読者の関心を引くので、掲載。ところが、翌日正午過ぎになんと『配信した写真の母親は別人』との訂正記事が送られて来てしまい、社内は騒然。『さすがに、子どものほうは大丈夫だろう』と思っていたら、夕方になって『子どもも別人』との訂正記事が送られて来た。とんでもない大誤報だったが、母子同時に確認できないとはなんとも情けない。訂正記事が流れた時間が時間だっただけに、夕刊各紙も刷り上がった誤った母子の写真が掲載されてしまった」(地方紙デスク)

 最近の同社の誤報といえば、10年10月に開催されたサッカー日本代表の国際親善試合「キリンチャレンジカップ」の原稿に社内で原稿を監修する運動部デスク(次長)が、知人女性に聞いたコメントをまるで当日会場で女性サポーターに聞いたように書き加えて配信。地方紙4紙が試合翌日の朝刊に掲載してしまい、その後、社内の「捏造(ねつぞう)があった」との指摘で調査委員会が事実を調査。次長は「締め切りが迫っていたので加筆した」と説明したため、同社は同月付で運動部長と次長の2人を厳重注意処分とし、次長を編集局以外の部署へ異動。運動部員の大幅な人事異動もしていたことが翌年8月に発覚した。

 今回の写真誤配信について、同社の近藤順夫ビジュアル報道センター長は「重大なミスを犯し、関係者と読者に多大な迷惑をおかけしたことをおわびします」とのコメントを発表。写真は琴音ちゃんが行方不明になったとされた直後、記者が入手したが、実際その写真に2人は写っておらず、記者が確認作業を怠ったのが原因としているが、同社内外からは「いつかこういうことが起きても仕方ないと思った」との声が聞こえてきている。

「全体的に記者の質が低下している。通信社という性質上、自分が取材したものがダイレクトに紙面に反映されず、ここ数年給料は頭打ち。おまけに、駆け出しのうちは地方をたらい回しにされ、ボツになってしまうことが多いので、優秀で取材意欲にあふれた人材は給料や待遇のいい全国紙・出版社・NHKや民放キー局に転職してしまう。残った人材の中でも、地方の支局はまだ社歴の浅い記者や、一線を退いた記者が多くモチベーションが上がらず。そんな悪循環が社内で繰り返されるうちに、今回のような大誤報を配信してしまった。関係した部署や記者はいくらなんでもクビにはならないだろうが、かつてないほどの厳重処分が下されるだろう」(別の全国紙デスク)

 全国に事件の当事者のように顔をさらされた母子はたまったものではないだろうが、世間的に同社の信頼が地に落ちたことは間違いなさそうだ。

共同通信ニュース予定2012

とんだ赤っ恥。

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最終更新:2013/09/09 16:54
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