「よもや該当者全部ナシ!?」今年もたけしが大暴走! 東スポ映画祭がハチャメチャすぎる
#北野武 #ビートたけし #本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」 #本多圭
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ビートたけしが審査委員長を務める第21回「東京スポーツ映画大賞」(東スポ映画祭)の受賞作が決まった。たけしこと北野武監督は昨年、『アウトレイジ2』を3月末にクランクインする予定だったが、3月11日に起こった東日本大震災と、それによる福島第一原子力発電所の事故の影響で、「とても映画を撮る心境になれない」と撮影無期延期を発表した。
さらに年末になって、東スポ映画祭の選考が迫ったころ、たけしは「震災のときにいい映画が撮れるわけがねえ」と語っていただけに、21回の東スポ映画祭は「今年は該当者なし」ということになるのではと予想された。そんな中、1月下旬に全国14の映画祭のディレクターがノミネート選考した作品をもとに審査が行われたが、開口一番、たけし審査委員長は「本当のことを言っちゃうと、昨年の映画は全部ダメ」と一言。案の定「震災時に、いい映画は撮れない」と繰り返した。
しかし、「すべての賞で該当作品・該当者なし」というのは、予定調和を嫌うたけしのネタとして面白いが、年に一度の社を挙げた一大イベントを仕切る映画祭スタッフとしては戦慄ものだ。
しかし、たけしは続けて「『冷たい熱帯魚』は、これほどくだらない映画はないという感じはある一方で、園子温監督というのは、一歩間違えばすごいことになるんじゃないかと思わせるものがある。撮り方はガサツだけど、化ける可能性がある。期待を込めて『冷たい熱帯魚』と園子温に、作品賞と監督賞をあげよう。それに、元ピン芸人がここまでやったということで、『冷たい熱帯魚』に出演したでんでんに助演男優賞をあげる」と語り、全賞該当なしという最悪(?)の事態は逃れた。
だが、やはり主演男優・女優賞や助演女優賞、新人賞や外国作品賞などは該当なし。すると、「受賞する俳優がでんでんしかいないのはさみしいから」と、なぜか時代劇で5万回切られたという俳優の福本清三さんに「”日本一の切られ役”として特別賞をあげちゃおう」(たけし)ということになった。さらに、たけしは「映画は裏方の人がいてこそ、できる。この際だから、技術スタッフを表彰しよう。それこそ、東スポ映画祭にしかできないから、東スポはエライってことになる」ということで、急遽技術スタッフ賞が新設されて、ガンアクションや音響のプロ、殺陣師など4名が選ばれた。
次に、同時開催される「第12回ビートたけしのエンターテンイメント賞」の受賞者も決定した。これは、この1年で業界を賑わせた芸能人を表彰するものだが、日本芸能大賞にはフジテレビの『THE MANNZAI』で優勝を逃した博多華丸・大吉が選ばれた。同番組の最高顧問を務めたたけしは「優勝したパンクブーブーより、華丸・大吉のほうが面白いと思ったけどね」と語っていただけに、受賞はすんなり決まった。後は地味な芸だがしっかりしているとして選ばれたダイノジ、さらに、女性ピン芸人の座を確立した友近が選ばれた。
今年は新たに、ひな壇芸人賞を新設。土田晃之、アンタッチャブルの山崎弘也が選ばれた。話題賞には高齢者に夢を与えたとして、20代の女性と再婚した加藤茶。故・立川談志さんと、北野映画の衣装を担当し、昨年、フランスでコマンドール(芸術文化勲章)を受賞した山本耀司さんが、また、特別賞に選ばれた。
カムバック賞には、芸能とは関係ないはずなのに、昨年末に仮出所した政治家の鈴木宗男が選ばれた。すると、ここまで来て、全賞の中で、女性の受賞者は友近一人しかいないということが発覚。あまりにも華がなさすぎるというので、ストリッパ―からAV女優に転向した小向美奈子。さらにもう一人、岡本夏生をカムバック賞に入れた。日本アカデミー賞などに顔を出すようなお高い女優たちは見当たらないが、ここでしか見られないハチャメチャな受賞式が期待できそうだ。授賞式は2月26日に都内ホテルで行われる。
(文=本多圭)
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