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週刊アニメ時評 第2回

ロボット好き必見! 洗練されたメカたちが大活躍『輪廻のラグランジェ』

rinne.jpg『輪廻のラグランジェ』公式サイトより

 2012年冬クールは、話題のロボットアニメが多数スタートしており、ロボ好き男子(女子も可!)にはうれしい限りだろう。

 個人的に久々の大ヒットが、日産自動車グローバルデザイン本部が登場ロボのデザインを担当した『輪廻のラグランジェ』(読売テレビほか)である。

 スタイリッシュなデザインの飛行形態から、流線形の未来的なシルエットのロボットに変形する主役ロボ「ウォクス・アウラ」のカッコよさは、従来のロボットアニメにはない新鮮な衝撃を視聴者に与えてくれるだろう。

 また作品全体を彩るサウンドにも注目したい。

 美メロ・ハウスシーンの立役者ラスマス・フェイバーが作曲を手掛け、『マクロスF』で超時空シンデレラ・ランカを演じた中島愛が歌うOPテーマ「TRY UNITE!」をはじめ、1980年代にニューウェーブ・テクノシーンを牽引した鈴木さえ子と北野武作品をはじめとする映像作品に多くの楽曲を提供するユニット・TOMISIROがサウンドトラックを手掛けていると聞いて、「おおっ!」と反応する音楽ファンもいるのではないだろうか。

 クラフトワークを思わせるフューチャー・テイスト満載のレトロ風味なテクノと、まるでコンセプトカーを思わせる洗練されたメカたちの活躍がシンクロするクールなビジュアルは、一見の価値ありだ。

 そんな本作の総監督を務めるのは、『機動戦艦ナデシコ』や『宇宙のステルヴィア』などで、ハードSF要素と魅力的な人間模様を融合させた骨太なドラマを作り上げた佐藤竜雄。今後のストーリーにも期待が集まる。

 そして、相変わらずのはっちゃけぶりを見せてくれるのが『アクエリオンEVOL』(テレビ東京ほか)だ。こちらは2005年に放送され、インパクト大な主題歌が社会現象となった『創聖のアクエリオン』の続編。

 1万2,000年後の地球を舞台に、新たな主役ロボ「アクエリオンEVOL」が、人類を襲う異世界からの侵略兵器「アブダクター」と激しいバトルを繰り広げるというストーリーだ。

 「あなたと合体したい」という刺激的なフレーズが話題となった前作だが、厳格な学園が舞台の今作では「男女の合体禁止」というルールが設定されている。異性が気になる年頃の主人公たちは、あの手この手で異性との(アクエリオンによる)合体を目指す、というのが本作の見どころ。

 ウブな主人公たちが「恋愛」と「ロボットの合体」、そして「人類の勝利」を目指すという、ドタバタでラブコメ、かつ熱血な展開は、総監督の河森正治作品の真骨頂だ。ネタ要素も満載の本作は、早くもアニメファンの間で話題を呼んでいる。

 最後に『ダンボール戦機W』(テレビ東京系)を推しておこう。

 2年目に突入した人気アニメである本作は、プラモデル、ゲームなどのホビー展開も好調な、昔ながらの男児向けロボットアニメである。

 手のひらサイズの小型ホビーロボット・LBXを操縦する主人公・山野バンが、愛機・エルシオンとともに謎のテロ組織と戦うというストーリーの本作。新たなキャラクターの登場も相まって、前作以上に「友情」「チームワーク」といった要素が重視されており、新シリーズスタート直後より早くも重厚な物語が展開している。

 本作最大の見どころは、フルCGで描かれるバトルシーンだろう。ロボットアニメのケレン味と、CGならではのグリグリ動き回るド派手なアクションが高いレベルで融合した本作のバトルシーンは、一言で言って「ガチ」である。

 本作を見れば、セル至上主義なロボットアニメフリークの御仁も、CGの可能性を感じることができるだろう。

 『ガンダム』『エヴァンゲリオン』に代表されるミドルティーン以上向けのハードなロボットアニメが幅を利かせ、ジャンルそのもののファンの平均年齢が上がる一方、本作のような子ども向けのホビー系作品の存在は、ロボットアニメというジャンル自体を存続させるうえで見逃すことはできないはずだ。

 強くてかっこいいロボットの活躍を見ながら、童心に返っておもちゃやプラモで遊んでみたくなる。そんなロボット大国・日本が誇るロボットアニメたちに触れてみてはいかがだろうか。
(文=龍崎珠樹)

TRY UNITE!/Hello!

聞くべし!!

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最終更新:2013/09/09 17:53
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