CDのための音楽は表面的! ”テーマありき”の楽曲は、音楽業界をぶった斬れるのか?
#ラジオ #東京03 #在日ファンク
■前編はこちらから
TOKYO FMで放送中のラジオ番組『SMJ全日本スキマ音楽』。その番組内で制作された楽曲の配信を記念してお届けしている、東京03の角田晃広とSAKEROCK、在日ファンクの浜野謙太のインタビュー・前編では、番組開始からの彼らの変化について語ってもらった。ここからは、2人が今気になっている”スキマな人物”と、今後の番組の野望について盛り上がる――。
――番組の進行は、どんな雰囲気でやってるんですか?
浜野謙太(以下、浜野) ラジオに関しては、僕はやっぱりミュージシャンで(笑)。角田さんを頼りにせざるを得ないというか、言葉が何も湧いてこない時とかありますし……。
角田晃広(以下、角田) いやいや、こっちも言葉が浮かばないことなんてあるから(笑)。慣れない同士がやってますからね。
浜野 そうですよね。角田さんもコントではいじられるほうですもんね。
角田 そうそう。進行なんて、普段、東京03ではしないことですからね。そんな2人が番組始めてもうすぐ1年ですよ。
浜野 この1年、角田さんと出会えたってことは、僕にとってすごく大きかったですね。
角田 この番組を飛び越えて、東京03のライブにも出てもらったりしましたし、ハマケンのほうからもライブのステージに誘ってもらったりとか……は、ないんですけど。
浜野 いや、これからね、やります、やります。すみません……。
角田 すみませんって(笑)。でも、僕もいい出会いをさせてもらったなと。それでね、今年の目標としては、番組でイベントをやりたいと思っているんですよ。生放送じゃないので、聴いている方と直のやり取りができないじゃないですか。ちゃんと聴いてくれる人がいるんだ、っていうことを確認したい(笑)。
――では、スペイン坂スタジオに行きますか。
浜野 いやー、やったら人来るんですかね!?
角田 万が一やっちゃった(人が来なかった)場合、ダメージ大きいよね。
――そこは弱気なんですね(笑)。ハマケンさんは、何か今年の目標はありますか?
浜野 そうですね、この番組、収録にけっこう時間がかかるんですよ。角田さんは曲を収録前に作って持ってきてくれるんですけど、アレンジするのに時間がかかっちゃって。長く時間をかければいい曲になるっていうわけでもないし、どっかにコツがあるんだろうなって思ってるんですけど、それがもう少しで見つかりそうなんです。だから今年は、もうちょっと作業を早くできればと。
角田 助かるね(笑)。
浜野 角田さんもスタッフも、僕がアレンジをしている間ずっと待ってるんですよ。
角田 でも面白いですよ。音がどんどん出来上がっていく過程が見られて。
浜野 大人がみんなでこっちを見ながら待ってるから、僕はプレッシャーですけどね。
角田 確かにハマケンはやりづらいだろうね(笑)。
浜野 普段はトロンボーン奏者なんで、鍵盤がうまく弾けるわけでもないし、ギターを弾けるわけでもないので、それをどう効率的にするかを考えていて。
角田 でも、うまくなってきたよね。
浜野 あ、ありがとうございます(笑)。角田さんも、必要以上にギターがうまくなってきてますよね。
角田 こんなに毎週毎週ギター弾くことなんてなかったですからね。曲を作るために家でも弾いてますし、そりゃうまくもなるでしょ!
――回を重ねるごとに、クオリティーの高い曲ができてますよね。
角田 基本はそのはずです。その中に、ときどき「あれ?」っていうのが聴いてる人にはあるかもしれませんが(笑)。
浜野 あと、こんなに続くとは思わなかったんですよね。番組ではなく、アレンジが。
角田 ハマケンは毎週よくやってるよね。
浜野 そこがデカイとこなんですよ! こういう曲を作りたいとか、こういうことをやらなきゃいけないっていう”文脈”が僕らにはあるじゃないですか。コンセプトっていうとちゃっちい感じがするから、文脈って言ってみましたけど……。
角田 文脈のほうがいいね。
浜野 (笑)。文脈があると、表面的な意味ではない、新しい表情の曲ができるのが面白いんです。文脈があるだけ新しい曲があるっていうのは、大きな発見だったと思います。普段、CDのために曲を作る時とか、表面的に差別化された作品揃いになってしまうことがあると思うんですけど、ある1曲を作り上げる時には、なぜその目的地に向かいたいのか、っていう文脈が大事なんだなって気づきました。
角田 いいね、音楽業界軽く斬ったね(笑)。いいと思うよ、オレは。
浜野 この番組は、けっこう斬ってますよ。
角田 でも、斬られてるほうはまったくそんな気はしてないだろうけどね(笑)。
――ところで、お2人が注目しているお笑い界のスキマな人、音楽界のスキマな人っていますか?
角田 うーん……あ、後輩芸人で「のんたなか」っていう、最近ピンになった女芸人がいるんですけど、SMJを好きで聴いてくれているんで名前挙げておこうかと。って言っても、ピンでのネタはまだ見てないんですけど(笑)。天真爛漫で人から愛される子なので、いずれスキマじゃなくなるんじゃないかと思ってます。
浜野 僕はけっこう、王道が好きだからなぁ……。
角田 あれ? スキマな音楽番組やってるのに!?
浜野 はい(笑)。自分が関係しているバンドなんですけど、SMJにも来てくれてる”ジェントル”久保田(在日ファンクのトロンボーン奏者)が「ジェントル・フォレスト・ジャズ・バンド」っていうビッグバンドをやっているんですよ。今の時代にビッグバンドっていうのは、なかなかないじゃないですか。ビッグバンドだけど懐古主義ではなく、痛快なことをやっているんです。僕が歌ってるんで手前味噌ですけど(笑)、これはおすすめ。今はもう、機械を使って少ない人数でやってる音楽が多い中、そこをあえて無駄に大人数(22人)でやるっていうのがいいと思ってます。
角田 あれはかっこいいよね。
浜野 この時代に、スキマ的なことだと思うんですよね。
――最後に、番組の人気コーナー「後悔サヨナラマンボ」で、失敗や反省を笑い飛ばすという企画をやっていますが、最近、笑い飛ばしたい失敗や後悔はありましたか?
浜野 僕は、やっぱりちゃんと角田さんに年賀状出しておくべきだったなって(笑)。自分の中では去年を代表する重要な仕事だったのに、相方に年賀状を送らなかったのは痛恨ですね。
角田 僕は、在日ファンクのライブは見に行ったんですけど、SAKEROCKのライブはまだ見れてないので、今年は行きたいと思ってます。まぁ、去年も行こうと思えば行けた日もあったと思いますが(笑)。
浜野 去年、SAKEROCKはベースが抜けたんですけど、それも分からないですもんね。
角田 へぇ。そうなんだ。
浜野 ほら。けっこう大きな出来事だったんですけどね。
角田 いや、そこはほんと申し訳ない(笑)。
(文=高橋ダイスケ/写真=後藤秀二)
●かくた・あきひろ
1973年、東京都生まれ。お笑いトリオ・東京03のメンバーで、ボケ担当。プロ級のギターテクニックと歌唱力を誇り、作詞作曲もこなし自作曲も多数。ネタ中でもその腕前を披露することは多く、大竹マネジャーと組み、『ゴッドタン』(テレビ東京系)の「マジ歌選手権」等で歌ってきた「若者たちへ」で09年にメジャーデビューも果たしている。
●はまの・けんた
1981年、神奈川県生まれ。インストゥルメンタルバンド・SAKEROCKのメンバーとして、トロンボーン、スキャット、MCを担当し、07年に結成されたファンクバンド・在日ファンクではリーダー兼ヴォーカルを務めている。05年に出演した映画『ハチミツとクローバー』を皮切りに俳優としても活躍し、現在放送中の『ハングリー!』(フジテレビ系)では向井理とも共演を果たした。
●『SMJ 全日本スキマ音楽』
2011年4月1日よりTOKYO FMでスタートしたラジオ番組。世の中の”スキマ”をテーマに、”芸人”東京03の角田晃広が作曲、”ミュージシャン”SAKEROCK、在日ファンクの浜野謙太がアレンジする。エブリスタやポッドキャストなどでも展開され、昨年10月にはスペースシャワーTVで「全日本スキマミュージックTV~SMJTV~」として映像化も実現! 大小合わせて3ケタにものぼるSMJが作った楽曲は、現在iTunesやレコチョクなどで配信中。ハマケンによってアレンジされた完成バージョンだけではなく、角田の原曲バージョン、さらには納得のいかなかったアレンジをリベンジした曲も入手可能。
・『SMJ全日本スキマ音楽』
TOKYO FM 毎週金曜21:00~21:30
・『全日本スキマミュージックTV~SMJTV~』
スペースシャワーTV 毎週金曜19:45~20:00
・楽曲ダウンロードはコチラ(http://itunes.apple.com/jp/album//id486704725)から。
※角田さんオススメの「青春の過ち」「告白しなければフラれない」、ハマケンさんオススメの「今日は一日寝て過ごしている」なども配信中!
・ダウンロード、番組の詳細は番組公式サイト(http://televider.com/smj/)へ
【SMJとは?】
TOKYO FMと音楽専門チャンネル スペースシャワーTV、No1電子書籍サイト「E★エブリスタ」、テレバイダーが手を組みお届けするメディアミックスプロジェクトです。
提供ソニー・ミュージック・エンタテインメント
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