サッカー長谷部誠 スポーツ報知の「ヴォルフス放出」報道は誤報も迫る正念場
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24日、スポーツ報知がサッカー日本代表主将のMF長谷部誠が所属する独ヴォルフスブルクの放出リストに挙がっていると報じたが、どうやらこれは誤報だったようだ。この報道はドイツのサッカー専門誌「キッカー」の掲載記事を基に報知が報じたものだったが、報知の記者が同誌の記事を誤訳したことが誤報の原因だったという。
「サッカーライターの木崎伸也氏が指摘しているのですが、『キッカー』誌の記事は長谷部のポジションであるダブルボランチのレギュラー争いについて書かれたもので、長谷部がライバルの後塵を拝しているというのが正しい内容だったようです。そこを報知の記者が誤訳してしまい、主観がまじった誤報に至ってしまったということでしょう。木崎氏の指摘を知ってか知らずか、報知も記事を削除しているので誤報なのは間違いない」(サッカー誌編集者)
とりあえず長谷部の早期放出はなさそうだが、あながち報知の記事もデマカセではないのだという。前出のサッカー誌編集者は、次のように指摘する。
「長谷部はボランチだけでなくサイドバックなど複数のポジションをこなせるユーティリティプレーヤーなのですが、現在は他の選手の台頭もあってか必ずしもヴォルフスブルクの主力ではありません。最近では試合に出場するどころか、ベンチ入りさえままならないときもありますからね。長谷部はまだ契約期間を多く残しているので、チームも移籍金を取れるうちに放出する可能性もありますし、何よりも本人がこの状態が続くなら出場機会を求めて移籍志願するかもしれません。いずれにせよ、長谷部にとっては今が正念場でしょう」
昨シーズン、日本代表のW杯ベスト16進出を受けて、多くの日本人選手が独ブンデスリーガに移籍し高評価を得てきた。だが、今シーズンはFW矢野貴章がフライブルクを解雇され、ケルンのDF槙野智章も出場機会を得られず苦しいときを過ごしている。また、昨季はシャルケの主力だったDF内田篤人にしても今季は不動のレギュラーとは言い難い状況。唯一、気を吐いているのはドルトムントのMF香川真司ぐらいだが、その彼にしてもリーグ前半戦は昨季ほどのインパクトは残せなかった。
「過去、欧州に移籍した日本人選手を振り返ってみてもまったく活躍できないか、当初は活躍できても次第に尻すぼみになっていった感は否めません」と前出・サッカー誌編集者が話すように、”2年目のジンクス”を越えられないのが、今も昔も多くの”欧州組”の課題でもある。その意味でも、欧州組の先駆者的存在で安定した実力を示してきた長谷部の動向が注目されるが、「報知の誤報が転じてスクープに」などということにならないよう祈りたいものだ。
(文=牧隆文)
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