オリエンタルラジオさんの至言「”変わってるって思われたい自分”も見透かされてる」(後編)
#インタビュー #対談 #サブカルチャー #小明 #オリエンタルラジオ #大人よ教えて!
――えー……えっと、あの、すみません、唐突に相談なんですが、私、グラビアアイドルでデビューして、売れないまま今年でちょうど10年目。売れないまま10年続けるのは辛いんです! そこでメディアに出続けてるおふたりに相談なんですが、なんか……こう……どうしたらいいですかね? 最近は水着すらやらせてもらえなくて、たまに写真の仕事だと思うとゾンビとか……。
藤森 ゾンビ!? ゾンビ界ではブレークしてるの!?
――していないです。その業界もないです。
中田 あはは! すごい興味ありますけどね。女性のタレントさんがどこを目指して走っているのか、みんな口にしないし、女性のすごろくと男性のすごろくは違うので。
――27歳っていったら、同年代はどんどん家庭を築いていって、すごろくでいったら第一ステージくらいはあがってたりします。恐いです。
中田 今はどうしたいんですか?
――恐れながら、自分はグラビアアイドルになりたいです。
中田 なるほど……。分かりました(ニヤリ)。グラビアに関していうと、僕はいろいろ思うところがあって。グラドルの人たちって、グラビアではあんまりお金がもらえないじゃないですか。ということはお金じゃなくて、グラビアをやったという達成感がほしいということですよね。
――達成した人から辞めていくんですよ。野球選手と結婚したり、IT社長とかと結婚したり、次は女子アナを目指してみたり……。私はどこにも行き着けず、変な立ち位置になってしまった。
中田 27歳ですもんね。この歳でグラビアをするとなるとなにかフックが必要となってくると思う。僕はコンセプトのある写真集がすごく好きなんです。最近だと、『SCHOOL GIRL COMPLEX』(イースト・プレス)とか、ちょっと前だと『妄撮』(講談社)とか。フェチ系に訴えたもの。そういうコンセプトから切り崩すっていうことだと思うんですよね。エロいようでエロくない、哲学的なエロ。やっぱり、”はつらつとした水着姿でビーチ”というのは王道ではあるけど、そこに食傷気味になっている人達も多いし、やっぱりグラビアは10代のものじゃないですか。ほしのあきさんなどのレアケースをのぞいて、10代~20代前半のものですよね。なので、一個、インリン的なものを乗せるか、ヒットネタみたいなのを出さなきゃいけないのではと思うんですよね。素材のままっていうのは、年齢的にできないと思うし、露出度を高める方向に行ってしまったらその先はガケですから。……でも、グラビアがゴールというのは非常に興味深いですね。僕の中では、グラビアって通過点なのかなって思っていたので。
――たいていのグラドルは通過点にしてるんですけど、その通過点にも行き着けない人が結構いるもんなんですよ。私、トークも芝居も一通りできないらしいことにも気づきまして。えへへ。
藤森 具体的にあっちゃんのフェチはないの?
中田 僕が今温めてるコンセプトは、場所とのギャップで行くしかないと思っていて。例えば区、役所前だけで撮るとか。
――えっ。
中田 区役所前で、それもパンツスーツがいいと思うんですよ。パンツスーツのズボンをずり下げて白い水着が見える。それをすごい真面目な顔で23区撮ったらいい!
藤森 なるほど!
――ドエロじゃないですか。ド変態じゃないですか。あの、もしや中田さんはずいぶん鬱屈した性癖をお持ちの方ですか?
中田 (無視して)そこのニッチな層に訴えるしかないと思います。3ページくらいまではちゃんと役所で受付をしている写真があって、4ページ目で必ず直立不動で水着を出す。
藤森 それなら見たいね!
中田 これ、23区ありますから。60~70ページくらいの厚みで売れます。間違いなく売れます。5,000部は売れます。
――5,000!! 自費出版で5,000部売れたとしたら、えーと、えーと、ヒー! 家賃10年分くらい払える!!
中田 男の性欲が何か、ということを究極まで分析している研究熱心な人が勝つと思います。そこを研究するか、自分の体をどう見せればいいのかですよ。年齢的にも、構図的にも、必ず勝つ方法はあるんです。必要なのは才能ではなく工夫だと、僕は思います。
――名言! 少し元気が出ました、今日はどうもありが……
中田 では、別案なんですけど、次は教卓です。これもギャップなので、まず教室を借りまして、できれば小学生の男女20人くらいを座らせておきます。そしてそこで、スーツ姿の女教師が授業をしている風景なんです。正面からは子どもたちの顔がワーって見えていて、サイドのカットになった時に……下だけ水着なんですよ! でも、子どもたちには見えていない。「子どもたちは純朴に授業を受けているが、この先生は教壇で勝手に脱ぎ始め、そのスリルを味わっている変態」っていうのがほんのり分かるのがいい。子どもの顔が無邪気であればあるほど、そのギャップで興奮します……!
――中田さん、目が充血しています! でも参考になりました、今日は本当にありが……
中田 あと、露出度は高めないほうがいいです。それでもいかにエロくできるのかが、エロへの近道だと思います。例えば、社長室の椅子がありますよね。服を着て、この椅子の前に座っているだけでいいんですよ。ちょっと来て、ここに。
――ここですか? これでいいんですか? 私エロいですか?
藤森 見たわ~。こういうのAVのシーンで見たわ~。
中田 服を着てて、男との絡んでいないのにもうエロい。これがエロスなんです……! 男の中には補完する脳みそがいっぱいあるんです。だから、ベタなところでいうとバナナを食べたりするじゃないですか。あれは象徴的なんですけど、社長室のソファーの下に座っているっていうのは……
藤森 (腕時計を見ながら)ねぇ、もういいかな? 俺飽きちゃったんだけど……。やっぱりあっちゃん変態じゃん。
中田 だから、変態は5,000人は絶対いるんです!
藤森 僕、女の子の裸は好きですけど、グラビアを買おうという人間ではないんです。でも、買いたいと思う人は今みたいなことをやらないと手に取って買わないんでしょ。だから僕は5,000人にカウントされてないね。
――あの、できれば5,000人にカウントされてない藤森さんにこそ伺いたいことがあるんですが、今、チャラ男をやられてるじゃないですか? 私はチャラ男にチャラチャラされないんですよ。プレイボーイにプレイされないし、ヤリチンにスルーされます。
中田 だから、チャラ男のターゲットからは外れているんですよ!
――どうすればターゲットに入るんですか! どうすれば!
中田 完全にニッチな層に強い需要のある人なんですって! 影が! あるから!
藤森 それは、ちょっと感じますね。僕もそういう人には、あまりいかないかもですね(興味なさそうに)。
――チャラ男の人はいろんな女を見ているので、「これは違うな」というふうに地雷を見分けるのでしょうか……。
中田 そこら辺の層を一手に担っているのが僕ですよ! 僕は暗い女の子に関しては、非常に得意としている。
藤森 何が怖いかって、中田さんが、結構ガチで狙ってる可能性があるんですよ。
中田 藤森くん、語弊がありますよ。
藤森 本当にダメだね、相方やってると分かるから。あっちゃんはこういう目の奥が怯えたような女が大好きだ。ガチのタイプなんですよ。
中田 僕がこれ以上かかわると、ガチで抱いてしまう。
――……!!!! こんなにステキな対談があるんですね……!!!!
中田 Twitterとかもされているみたいですから、ま、フォローしあってみたらいいのではないかな。
藤森 そこからかよ! 知り合いになろうとしやがって!
――あ、ありがとうございました……(完全に目を潤ませながら退場)!
(中田さんの暖かいお言葉のおかげで、夜更かしや酒などの不健康な生活の影響で止まっていた生理が再開! ヨッシャー! と歓喜感涙でオリラジさんの活動を見守っていたら、中田さんと福田萌さんがまさかの熱愛……ちょっと気持ちの持っていきどころがわかりませんが、一時の夢をありがとうございます。藤森さんはお体に気をつけてください/取材・文=小明)
●おりえんたるらじお
中田敦彦と藤森慎吾からなるお笑いコンビ。2004年結成。翌年、「武勇伝」ネタで大ブレーク。以降、数々のテレビレギュラーをこなしつつ、トークライブ活動なども精力的に行っている。11年11月より『おまかせ!アニマックスNAVI』放送中。
●あかり
1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。
ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>
サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
武勇伝だけじゃないんす。
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